ニュースリリース
クルマ・技術
マツダ、「ひろしま “Your Green Fuel” プロジェクト」 において
次世代バイオディーゼル燃料のバリューチェーンを構築
マツダ株式会社(以下、マツダ)は、ひろしま自動車産学官連携推進会議(以下、「ひろ自連」)で進めている自動車用次世代バイオディーゼル燃料(以下、バイオディーゼル燃料)*1の普及拡大に向けた「ひろしま “Your Green Fuel” プロジェクト」*2に参画しています。このたび、マツダは本プロジェクトにおいて、広島地域で支える地産地消モデル実現のため、バイオディーゼル燃料の原料製造・供給から利用に至るまでのバリューチェーンを構築し、同燃料の利用を開始しました。
「運用車両イメージ(専用デザインのラッピング/マグネットデカール*3を採用)」
マツダは、技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom Zoom” 宣言 2030」に基づき、内燃機関や電動化技術などパワーユニットの展開を適材適所で行う「マルチソリューション」の提供や再生可能液体燃料の導入など、「Well-to-Wheel(燃料採掘から車両走行まで)」の発想でCO2削減に取り組んでいます。
マツダが参画する「ひろ自連」は、サステイナブルな自動車社会の実現に向け、化石燃料に代わるカーボンニュートラルなバイオ燃料の普及拡大を目指すため、2018年6月にユーグレナ社と共同で本プロジェクトを立上げました。マツダは、「ひろ自連」を通じて本プロジェクトの確実な立ち上げに貢献するとともに、バイオディーゼル燃料が石油由来の軽油と同等性能となることを確認するなど、燃料利用に至るまでの必要な準備を進めてまいりました。
そしてこのたび、マツダは本プロジェクト参画各企業・団体*4とともに、バイオディーゼル燃料の普及拡大と広島地域で支える地産地消モデル実現に向けた事業の仕組みとして、同燃料の原料製造(微細藻類油脂および使用済み食用油から成る再生油脂)・供給から利用に至るまでのバリューチェーンを構築し、同燃料の利用を開始しました。今後は、広島県内の事業者が排出したCO2などを活かした広島での微細藻類の培養に加え、微細藻類残渣を用いた農・畜・水産向け肥料・飼料への活用等を検討し、広島の自治体、企業、地域、そして、本プロジェクトの賛同企業と共に、地産地消モデルの構築を目指します。
マツダは、本プロジェクトを通じて、バイオ燃料の普及拡大に向けた構想の具体化を進め、SDGs*5「GOAL7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「 GOAL13:気候変動に具体的な対策を」に貢献してまいります。そして、クルマのライフサイクル全体を視野に入れ、「Well-to-Wheel」の考え方に基づき、地球や社会と永続的に共存する自動車をより多くの人々に提供することを追求し、今後もさらなる省資源化や地球環境保護への貢献を目指してまいります。
【ひろしま自動車産学官連携推進会議(ひろ自連)について】
■設置時期: | 2015年6月11日 |
■目 的: | 広島地域の自動車産業を活性化するための旗印として掲げた「2030 年産学官連携ビジョン」の着実な実現 |
■常任団体: | 公益財団法人ひろしま産業振興機構、マツダ株式会社、国立大学法人広島大学、中国経済産業局、広島県、広島市 |
- *1 次世代バイオディーゼル燃料(ユーグレナバイオディーゼル燃料)
微細藻類油脂や使用済み食用油を原料としたバイオディーゼル燃料は、とうもろこし等を原料としたバイオ燃料と比べて、食料競合や森林破壊のような問題が無く、また、燃料供給に関連する追加インフラを必要とせずにカーボンニュートラルを実現する優れた自動車用液体燃料と考えています。 - *2 「ひろしま “Your Green Fuel” プロジェクト」
2018年6月に、「Green Oil Japan」を推進するユーグレナ社とひろ自連が共同でプロジェクトを立上げ、カーボンニュートラルなバイオ燃料の原料製造・供給から利用に至るまでのバリューチェーン全体を広島地域で支える地方創生モデルを構築することを目指し、バイオ燃料の普及拡大に努めています。 - *3 車両のラッピング/マグネットデカールデザイン
「生命感を感じる実証車両グラフィック」
- ・微細藻類の細胞をイメージした6角形をランダムに配置し、実証車ならではのカモフラージュパターンをエモーショナルに表現
- ・透明フィルムを用いることで魂動デザインの造形美とも調和する生命感を表現
- ・微細藻類ユーグレナをイメージし、差し色として緑色を各部へ配色
- *4 「ひろしま “Your Green Fuel” プロジェクト」参画企業・団体および役割
- ■株式会社ユーグレナ
- ・バイオディーゼル燃料の製造およびひろ自連への供給
- ・微細藻類由来燃料を中心としたバイオ燃料に関する知見の提供
- ■株式会社ファミリーマート
- ・広島市内の店舗(曙四丁目店)で使用した使用済み食用油の提供
- ・一部の社用車でバイオディーゼル燃料を利用
- ■植田油脂株式会社
- ・広島市内のファミリーマート店舗から提供された使用済み食用油を原料とするための再生油脂製造(燃料製造の前処理)
- ■株式会社吉川油脂
- ・植田油脂社で製造された再生油脂を追加処理し、ユーグレナ社へ提供
- ■ひろ自連
- ・実証事業全体のコーディネート、バイオ燃料原料としての地域資源の活用促進、地域での再生可能エネルギー関連事業の振興およびバイオディーゼル燃料を利用する企業・団体への燃料供給
- ・一部の公用車および社用車でバイオディーゼル燃料を利用
- ■株式会社ユーグレナ
- *5 SDGs (Sustainable Development Goals / 持続可能な開発目標)
国連において採択され、国連加盟国に対して2015年~2030年に、貧困・飢餓/エネルギー/気候変動/平和的社会など、持続可能な開発のため力を尽くすことを求めるものです(2015年9月発行)。17の目標と169のターゲットから構成されています。