社長・役員
スピーチ
初荷歓送式 スピーチ (於:本社工場宇品東地区 西埠頭)
【代表取締役会長兼社長 井巻久一】
皆様、新年明けましておめでとうございます。
本日は、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
2008年の初荷歓送式にあたり、一言ご挨拶を申しあげます。
昨年の日本経済は、原材料や原油価格の高騰などの影響はありましたが、輸出や設備投資の伸びに加えて、個人消費も底堅く推移するなど、引き続き緩やかな拡大基調を維持しました。世界経済では、米国のサブプライムローン問題による信用不安などにより、景気下振れリスクが高まっている状況です。
今年の日本および世界経済は、サブプライムローン問題による不確定要素や円高基調、また、前年に引き続き、原油や原材料価格が高い水準で推移するものと思われ、自動車業界を取り巻く外部環境はますます厳しくなります。
そのような状況の中、昨年マツダでは、3月に「マツダ アドバンスメントプラン」を発表し、初年度として計画に沿って多くのことを成し遂げてまいりました。
商品面では、第二世代商品のトップを切って導入した新型『マツダデミオ(海外名:Mazda2)』が好調な販売を続け、「2008年次RJCカー・オブザイヤー(国産車)」をはじめ国内外で賞を受賞しました。これらの受賞は私たちの商品づくりの方向性があらためて評価されたものであり、たいへん意義深いことだと思います。
また、中期的なグローバル小売台数160万台という目標に向けて生産能力の増強も順調に進めてきました。具体的には、国内の車両・エンジンの生産能力を増強しながら、中国ではマツダ生産方式を導入した工場を竣工し10月から新型Mazda2の量産を開始いたしました。さらにタイの乗用車工場計画も発表しました。
これらの成果は、本日ここにご参集の皆様を始め、マツダグループの皆様方の弛まぬご努力とご協力の賜物であり、この場をお借りしまして、感謝申しあげると共に心より御礼申しあげます。
さて今年2008年は、「マツダ アドバンスメントプラン」の2年目の年としてたいへん重要な年です。
2010年度の明確な目標に向かってマツダらしく一つ一つ堅実に実行し、最終目標が確実に達成できるという強い自信をつける年にしたいと思います。
そこで、今年、皆さんには、三つのことを強調したいと思います。
「ブランド価値の向上」、「ビジネス効率の改善」、そして「品質の向上」です。
まず、「ブランド価値の向上」についてですが、ブランドとは非常に幅広い意味がありますので、ここでは商品に絞ってお話をします。
昨年のデミオ/Mazda2導入とその成功により“Zoom-Zoom”戦略の認知度が高まりました。ぜひこれをチャンスにして商品を育てていかなければなりません。第二世代商品の第2弾は『マツダアテンザ(海外名:Mazda6)』です。すでに一部の欧州の国で導入済みですが、いよいよ1月29日には国内で新型アテンザを導入します。また、北米向けMazda6は北米専用にデザイン・設計された商品として今年導入して行きます。
アテンザ以降も、国内外で強力な商品導入を予定しています。これらの第二代新商品を開発・生産・販売など全ての領域において育てることによって2008年はブランド価値を飛躍的に上げる年にしたいと思います。
今年はどんな仕事をする時もブランドを育てることを中心に据えて計画していただきたいと思います。
そして、次に「ビジネス効率の改善」です。
私たち一人一人が、常にコストは最適か、効率は良いか、プロセスは正しいか、と考えながら仕事に取組み、ビジネス効率を改善する事が大切です。
マツダグループに働く全員が自分の仕事を厳しく見つめて改善する。自分の仕事の範囲を制限することなく、問題の根本にさかのぼって真因を追求し問題を解決する。そして、全員が一体となって競争力と効率性を飛躍的に向上しなければなりません。また、スピードを持ってことに当たる事が必要だと思います。
三つ目は、品質です。
ブランド価値向上の基本として品質の向上は不可欠です。品質の向上というのは、永続的に追求していくべきものです。そして、品質改善のベースとなるのは一人一人の行動の質です。私は、品質の向上は、私たちがお客様やステークホルダーの皆様、世の中全ての人に提供している有形無形のものの質の向上がなければ達成出来ないと考えております。
2008年は、今まで以上に皆さん一人一人の力が必要です。皆さんなら、その力を出し切ってくれる、と私は信じています。マツダグループが一丸となり、「マツダ アドバンスメントプラン」のさまざまな課題に果敢に取り組み、輝く未来に向かって、一緒に歩もうではありませんか。
本日は、『マツダデミオ』『マツダCX-7』『マツダRX-8』『マツダベリーサ』をはじめ私達が丹精こめて作り上げた商品が、初荷として出荷されて行きます。これらの商品が国内外のお客様に“Zoom-Zoom”を感じていただき、満足いただくことを願い盛大な拍手で送り出しましょう。
終わりになりましたが、今年が皆様方にとりまして、健康で、幸多い年であることを祈念しまして、私の挨拶とさせていただきます。