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マツダ株式会社 2024年度入社式 社長挨拶

【代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者):毛籠 勝弘(もろ まさひろ)】

 皆さん、おはようございます。2024年4月1日、月曜日です。今日は皆さんが社会人になった初日として、生涯記憶に残る日となるでしょう。皆さん、入社おめでとうございます。

 いま、皆さんはどのような感情を抱いてこの入社式に参加されているでしょうか。どの部署でどんな仕事をするのだろうか、上司や同僚とうまくやっていけるだろうか、新しい土地での生活にうまくなじめるだろうか、そんな緊張や不安を抱いているかもしれません。あるいは、早く仕事を覚えて活躍したい、夢に向かってチャレンジしたいとワクワクされている方もいるでしょう。様々な感情が入り混じる中で今日この日を迎えられていると思いますが、社を代表して、皆さんを心より歓迎します。

 私からは、入社式の冒頭にあたり、社会人として、そしてマツダの一員として、皆さんへ期待することについてお話ししたいと思います。

 まず、皆さんには、社会人として成長し、良い人生を過ごせるようマツダでの社会人生活を有意義なものにして欲しいと思っています。ここに集った多くの方々は、学生生活を通じ、勉学に励み、集団生活の中で社会性を身に着け、倫理観を養い、そして成長をされ、社会へ出る準備をされてきたことと思います。今日からは、自ら働き、対価を得て、税金を納め、自分の稼ぎで生計を立て、暮らしていくことになります。一方、自分本位で利己的な考え、相手の軽視やルールの逸脱など、自己主張や自由をはき違える方には、周囲や世間の目は社会人一年目だからと言って、決して優しくはありませんし、これらの振る舞いや行いは、最終的には全て自分に戻ってくるものです。今までお世話になった方々や周りの方々への感謝の気持ちを忘れず、自らの成長の姿を描き、日々の生活に向き合っていく心持ちであれば、皆さんの前途は洋々たるものになると思います。胸を張って、その晴れの第一歩を踏み出してください。

 また、今日から皆さんは、社会における居場所として、マツダというコミュニティに属することになります。中国地域には約22,000名、世界では約45,000名のグループ従業員が同じコミュニティに属しています。また、皆さんは今日同じ日に入社した608名の同期入社というコミュニティの一員でもあります。皆さんは今日その大勢の仲間の一員になるのです。そして、このコミュニティに属するということは、「マツダの人」となることを意味します。つまり皆さん一人ひとりがマツダブランドそのものとなるのです。社長である私が、会社を代表していることは、皆さん理解しやすいですよね。社長ほどではないにしても、皆さんも基本同じです。例えば、通勤電車の中、あるいは飲食店など、公の場での皆さんの振る舞いや言動などは、世間からマツダの人として見られます。マツダというコミュニティの評判の良し悪しは、一人ひとりが良い企業市民の一員として行動できるかどうかによる、ということを心にとめていただければと思います。

 さて、これからの長い社会人生活を始めるにあたり、私からのアドバイスとして、自分の将来のロードマップを描いてみることをお勧めしたいと思います。20代では何をやりたいか?30代や40代ではどう生きたいでしょうか。そして今は想像しにくいかもしれませんが、50代にはどういう大人、人になっていたいでしょうか?また、仕事の上ではどうでしょう?スペシャリストとして技能を極めたいと思う方、マネージャーや部長など幹部になりたいと思う方、海外勤務にチャレンジしてみたいと思う方、仕事はきちんとやりながら、自分の趣味を磨きたい方など、様々な未来の姿があるでしょう。社会人として真っ白なキャンバスを持っている今だからこそ、未来のありたい姿を描き、その実現のために何をしたらよいか、考えてみましょう。

 何をしたらいいか皆目見当がつかない、という方もいるでしょう。それでも大丈夫です。皆目見当がつかない、というのもその時の正直な答えとしてとどめておきましょう。その「考えてみる」というプロセスが大切なのです。若い時、社会人になりたての初々しい時の考えや思い、情熱などは、社会人として成熟していくのと引き換えに失われ、変質していくものです。振り返ったときに自分が一体何を考えていたか、初心は何だったのかを、書き留めて客観的に振り返ることができるのは、大切だと思います。

 マツダという会社は、ここ広島で104年間、地元の生き様、歴史と共に育ってきた会社です。1945年 8月6日の原爆投下からわずか4カ月後に生産を再開し、廃墟と化した広島の街の復興の一翼を担いました。「平和都市・広島」に生まれ育った企業市民として、平和の証である人々の笑顔をつくり、社会をより豊かにすることに貢献していきたいという“想い”が、今も私たちマツダ従業員の根底に流れています。

 世界初のロータリーエンジン量産化を実現した原動力である「人を信じ、人の力を信じ、どんな困難や苦節にも飽くなき挑戦の精神で立ち向かう当社の“DNA”」は、世代を通して受け継がれ、時代が変わってもマツダがマツダであり続け、将来にわたって人々に必要とされる会社となるための変わらぬ指針、すなわち私たちの進むべき道を指し示す「北極星」として私たちの頭上にあります。

 この北極星を胸に、私たちは時代に適合した「走る歓び」でお客さまの感動や笑顔を量産し、お客さまの「生きる歓び」に貢献していきたい。人を幸せにできる、世の中に貢献できる、そのような価値を生み出し続けます。皆さんも、今日からその一員です。今後もマツダがお客さまに選ばれ続ける為にも、前向きに今日を生きる人の輪を広げていく為にも、皆さんには、フレッシュな原動力になっていただきたい、そう思っています。

 今日は皆さんをお迎えすることができ大変嬉しく思います。皆さんの各職場での活躍を期待して私の歓迎の挨拶と致します。これから一緒に頑張っていきましょう。ありがとうございました。