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マツダ株式会社 2023年度入社式 社長挨拶

【代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者):丸本 明(まるもと あきら)】

 皆さん、入社おめでとうございます。4年ぶりに全員が一堂に会する入社式を開催することができました。マツダの未来を担う、総勢590名の皆さんをお迎えし、心から嬉しく思います。


 皆さんは本日をどのような気持ちでお迎えでしょうか。就職して初めての土地、初めての一人暮らしなど、大きな環境変化への戸惑いや不安、1日でも早く仕事を覚えて活躍したいという意気込み、様々な思いを胸にこの場に臨んでおられることと思います。私も、同じような気持ちでこの場にいます。無数の選択肢の中から、このマツダを選んで入社いただいく皆さんへの感謝、末永く活躍していただきたいとのワクワクした期待、一方で未来ある皆さんをお預かりする経営者としての責任や覚悟など、万感の思いです。


 マツダは1920年1月に広島の地に生まれ、地域の方々に支えられ、共に成長を遂げ、今年で103年目を迎えました。「工業で社会に貢献する」との志を胸に、マツダはいつの時代にも、クルマやサービスで人の力を引き出し、共感いただき、社会に貢献してきました。先ほどご覧いただいた動画に、そのエッセンスを込めています。例えば、マツダの代表的な商品の一つであるロードスターは、人とクルマが一体となり感動に包まれるクルマとして、お客さまより高い評価をいただき、30年以上にわたって愛され続けています。世界各国には、お客さま主体のファンクラブがあり、そのコミュニティを通じて、お客さま同士が活き活きと豊かな時間を過ごしておられます。


 マツダは決して規模の大きな会社ではありません。厳しい競争の中、マツダが存続し、社会に貢献し続けるためには、誰もが活き活きと暮らす愉しさと、生きる歓びをお客さまに提供し、社会や人々にマツダが必要だと思っていただけるよう、ファンであるお客さまに選ばれ続ける魅力、すなわちブランドとしての独自性が必要です。そのために私たちが綿々と受け継いできた最も大切にすべき、3つの重要な価値観があります。


 1つ目は「人を深く知る」ということです。人の能力を信じ、人の持つ能力の最大化を目指すマツダの「人間中心の開発哲学」を意味すると同時に、共に仕事をする仲間と信頼関係を築きながら、一人ひとりが自律的に活躍してほしい、との思いも込めています。


 2つ目は、「人と共に創る」です。マツダが自分達だけで実行できることは限られており、多くのステークホルダーの皆さまとの関係を大切にし、共に価値を創造していく、という思いを込めています。また、共に創る“共創”は社外に限らず、社内で仕事を進める上でも大切です。社内のあらゆる業務は、領域を越えて密接につながっており、積極的なコミュニケーションを図りながら、共に進めて行くことが求められます。


 3つ目は「飽くなき挑戦」です。この精神がマツダの歴史の中で脈々と受け継がれ、古くは多くの苦難を乗り越えて実用化したロータリーエンジンの開発、近年ではSKYACTIV技術、魂動(こどう)デザイン、混流生産を実現するフレキシブル生産など、新しい技術やプロセス革新を生み出してきました。


 本日の入社式は、次の100年を担っていく皆さんが、これら3つの価値観と、お客さまを始めとする多くのステークホルダーの皆さまに支えていただいた歴史を学ぶ第一歩です。


一方、私たちを取り巻く社会は大きく変化し続けています。現在もウクライナ情勢や主要国間での分断をはじめ、経営環境の不透明感が強まっています。また、デジタル技術革新により、クルマが社会に提供できる価値が変化し、拡大していきます。加えて、カーボンニュートラルに代表される環境問題などの社会課題、いわゆるSDGsへの取り組みも企業としての重要な使命となっています。マツダも、「2050年カーボンニュートラルに挑戦」することを宣言し、2030年までに生産するすべてのクルマを電動化し、「2035年にグローバル自社工場のカーボンニュートラルを実現する取り組みを加速させています。


このような外部環境の変化の中、その変化を理解し、変化に適応しながらも、先ほど述べた価値観を大切にし、人々の日常に運転すること、移動することの感動体験を創造し、誰もが活き活きと暮らす「愉しさ」と「生きる歓び」というマツダらしい価値を提供していきます。


皆さんは、今日からマツダの価値創造に共に取り組む仲間です。コロナ禍の中ITを活用し、創意工夫しながら、不自由な学生生活を乗り越えてこられた皆さんは、社会課題への関心が高く、デジタル技術を日々の生活の中で使いこなす世代です。また、苦労したからこそ、人の痛みが分かり、人を思いやる心をお持ちです。積極的に周囲と関りを持ち、皆さんの経験や持ち味を存分に発揮され、これからのマツダの価値創造を担っていただくよう期待しています。


最後に、今日この日から、皆さんと共に創っていく未来への理解を深めるために、2030年に向けて私たちが創造していく価値をイメージにした動画「マツダの約束」をご覧ください。このような未来を創っていく皆さんの活躍を心から楽しみにしています。ようこそマツダへ。入社おめでとうございます。