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電動駆動ユニットの協業に関する説明会 スピーチ

【取締役 専務執行役員 研究開発・コスト革新・イノベーション統括 廣瀬 一郎】

 みなさま、こんにちは。マツダの廣瀬でございます。

 本日は、先ほどの中計アップデートの説明会に続き、マツダの電動駆動ユニットの協業に関する説明会にご参加頂きましたことを、改めて御礼申し上げます。

 先ほど、電動車の基幹部品である電動駆動ユニットの開発・生産について、ここにお集まりいただいたパートナー企業の皆さまとの協業を公表いたしましました。この時間では、今回の協業にいたった経緯や狙い、取り組みについてご紹介いたします。

 電動駆動ユニットとは、モーター、パワー半導体を含むインバーター、減速機からなる駆動装置です。車載電池の電力をクルマの「走る」力に換えタイヤに伝える、タイヤからクルマを「止める」力を受け取り電力に戻す、双方向で高効率なエネルギーの受け渡しを行なう事が、最も重要な役割です。そして、「曲がる」、「止まる」といったステアリングやブレーキなどのシステムとともに、統合的に車両運動をコントロールし、人を中心にしたクルマの動きを深化させる、大変重要な役割を担います。つまり、クルマを製造・販売する企業として、カーボンニュートラルの実現に向けた電動化への対応において、「走る歓び」を新しい時代に進化させ続けるためにも、我々自身で開発、製造が行なえる能力を保有することが必要不可欠なものと考えています。

 また、電動化の進展とともに、地域経済が持続的に発展していくためには、マツダを含めたサプライチェーン全体で、これに対応していく必要が有ります。

 これら志を実現させるために、ここにおられる専門的知見を有する、今仙電機製作所さま、オンドさま、中央化成品さま、広島アルミニウム工業さま、ヒロテックさま、フクタ電機さま、ロームさまと協業していくことを合意しました。

 まず、中国地域のお取引先さまとの協業に至った、背景をご説明します。2050年のカーボンニュートラルに向け、国内生産は段階的に内燃機関からEVへシフトしていきます。マツダを含め内燃機関の製造従事者は、約1万人と中国地域で多くの方が内燃機関に関わっています。この産業・雇用を維持するため、マツダやお取引先さまを含むサプライチェーン全体での業態転換の促進が必要となってきます。一方で、内燃機関からEVへの移行は、一定期間をかけ段階的に進行すると想定しており、移行期にはモーター・減速機など電動駆動ユニットの生産を、エンジン・トランスミッションの生産と同時期に併行し、行ないながら緩やかにトランジションしていけるようにすることが必要と考えています。そのために、各社がエンジン・トランスミッション等の生産の為に保有している、現有設備を最大限活用し、生産のフレキシビリティを持たせ、投資負担が少なく効率的な生産体制を実現する必要があります。

 この実現を目的に、これまで長年にわたり高精度のモノづくりを、一緒に支えて頂いてきた、オンドさま、広島アルミニウム工業さま、ヒロテックさまと電動駆動ユニットの生産技術の開発や、最適な調達構造の構築を目的とした合弁会社を設立しました。合弁会社の名前は“MHHO Electric Drive”です。

 この取り組みを第一歩として、サプライチェーン全体を進化させ、電動化に向けた業態転換を進めることで、中国地域における産業・雇用維持、地域経済の持続的発展に貢献してまいりたいと考えます。

 次に小型・高性能・高効率な電動駆動ユニットの開発領域のご説明をいたします。シリコンカーバイド(SiC)パワー半導体など卓越した技術をお持ちのロームさまと、車両制御用電子ユニットの開発・製造で高い技術をお持ちの今仙電機さまと、SiCパワー半導体を含むインバーターについて共同技術開発を行います。そして、今仙電機さまとは高効率インバーターの開発、基板の実装、生産技術を開発する合弁会社を設立しました。合弁会社の名前は“Mazda Imasen Electric Drive”です。

 次にモーターに関してです。フクタ電機さまとは、既に新車プロジェクトの開発・製造において、協力関係を構築してきましたが、この度、その関係を発展させ、電動駆動ユニットのモーターに関し、共同技術開発を行ないます。フクタ電機さまと協業を進めるにあたり、両社の本拠地における商習慣の相違に熟知した、中央化成品さまをお迎えし、3社で、モーターの先行技術開発のための合弁会社を設立致しました。合弁会社の名前は“MCF Electric Drive株式会社”です。

 これら専門的知見を有するパートナー企業の皆さまと「走る歓び」を進化させる競争力のある電動駆動ユニットを作りあげていくとともに、マツダを含めたサプライチェーン全体において、電動化に向けた業態転換の準備を開始し、広島に生まれ育てて頂いてきた企業としての使命を果たし地域に貢献してまいります。電動駆動ユニットを開発する力をつけながら、引き続きグローバルに皆さまと「走る歓び」の進化をともに作りあげてまいりたいと思います。私からの説明は以上となります。