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マツダ株式会社 2022年度入社式 社長挨拶

 皆さん、入社おめでとうございます。本来であれば全員が一堂に会し入社式を開催できればと願っておりましたが、新型コロナウィルス感染症の収束が見通せずここ講堂と複数の会場をライブ中継で結んだ形式での開催としました。本日、総勢504名のマツダの未来を担う皆さんを迎えることができ、大変うれしく思います。


 皆さんは、この2年間、新型コロナウィルスの感染拡大により不自由な学生生活を送られたことと思います。当たり前であったことが突如として当たり前ではなくなる中、きっと能動的に創意工夫を凝らし時にはデジタル技術を駆使しながら過ごされたことでしょう。また同時に、人々の日常を支えるサービスに従事される方々への感謝と、人と人のつながりやコミュニケーションの大切さも実感されたことと思います。これから始まるマツダでの社会人生活においても、能動的な創意工夫、感謝、コミュニケーションはとても大切です。皆さんの強みとして仕事や日常生活に活かして下さい。


 ご存知の通り、私たち自動車業界は今、CASEやカーボンニュートラル等大変革期の真っ只中にあり、さらに新型コロナウィルスの感染拡大により仕事自体も変わりつつあります。将来のクルマ社会を見通すとクルマの価値は必ずや大きく変化していくと考えられます。運転の楽しさ、自由な移動、柔軟な物流、という従来の価値に加え、蓄電池やコネクティッドサービスを通じてクルマは社会インフラの一部へと変わり、地域社会や人々を支える役割という価値も加わってきます。私たちマツダは、SDGsの視点で「地球」「人」「社会」の課題に正面から向き合い、持続可能な社会の実現に貢献する存在として、地域社会やお客さまに共感いただき、そしてお客さまに選ばれ続けるブランドになりたいと強く願っています。ところで皆さんはZ世代と呼ばれることが多いのではないでしょうか。Z世代の特徴は、デジタルやITを使いこなし環境など社会問題への関心が高いと言われています。先ほど述べたブランドの実現に向け、皆さんの世代の特徴を活かした活躍と貢献を大いに期待しています。


 世の中がどのように変化しようともマツダが求め続けていく変わらぬゴールがあります。それはコーポレートビジョンです。「私たちはクルマをこよなく愛しています。人々と共にクルマを通じて豊かな人生を過ごしていきたい。未来においても地球や社会とクルマが共存している姿を思い描き、どんな困難にも独創的な発想で挑戦し続けています。」 SDGs同様、「地球」「人」「社会」の課題に取り組むことを宣言しており、私たちの企業活動は、常にコーポレートビジョンの実現を目指しています。


 いつの時代でも目指し続けるコーポレートビジョンを実現するには、グローバル全体で5万人の従業員の考え方を揃えておくことが大切です。マツダがこれまで培ってきた、また将来に亘り脈々と受け継いでいきたい考え方を纏めたものが「Mazda Way」です。「誠実」「基本・着実」「継続的改善」「挑戦」「自分発」「共育」「One Mazda」の7つの考え方から成り立っており、本日はこの中から2つ紹介しておきます。


 1つ目は「基本・着実」です。工場でクルマを造る姿を思い浮かべてみてください。同じ品質のクルマを何千台、何万台と造るために基本となる手順やルールが決められています。これを疎かにすると品質がばらつき、お客さまに信頼いただけるブランドにはなりません。仕事とは基本・着実の積み重ねです。「基本・着実」の重要性はマツダの品質方針のこころにも表れています。「確かな仕事の積み重ねでお客様に喜ばれる商品・サービスを提供する」。皆さんも、最初は与えられた仕事に精一杯取り組んでください。どんな仕事であっても「基本・着実」を大切にして取り組み、完遂する過程で成長し、仕事の本質を見抜く力や仕事をやり易く改善する力が身に付きます。


 2つ目は「One Mazda」です。「One Mazda」とは、ワンチームとなって価値観やゴールを共有し、行動する大切さを表す考え方です。工場では何千人という人が集まって、2万点を超える部品を組み立ててクルマを造りますが、効率よく品質の高いクルマを生産するためには欠かせない考え方です。また、マツダのビジネスは世界各地に広がっています。グローバルな仲間とワンチームで仕事に取り組めば、より大きな課題を克服できます。ワンチームになるために大切なのは「コミュニケーション」です。コミュニケーションは、気軽な言葉のキャッチボールから始まります。皆さんが迷ったり気になったりする場面があれば、遠慮せず先輩や上司の方に話しかけてみてください。上司や先輩の方は、しっかりと受け止め応えてあげてください。


 今日からみなさんは私たちマツダの仲間です。新型コロナウィルス拡大の中、困難な環境を乗り越えたその力をぜひこれからのマツダを創る原動力として発揮してください。皆さんの入社を心から祝福し、今後の大いなる挑戦と成長を期待して私の歓迎の挨拶とします。おめでとうございました。