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マツダ株式会社 2021年度入社式 社長挨拶

 皆さん、入社おめでとうございます。総勢532名の新たな仲間を迎え入れることができ、大変嬉しく思います。本来であれば皆さんと直接お会いしたかったのですが、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため本日は希望に満ちた皆さんの顔を画面を通して拝見し、ご挨拶をさせて頂きます。昨年の春以降、コロナ禍により私たちのビジネス環境や生活様式は大きく変化しました。皆さんの就職活動においても、会社説明会や面接などはリモートでの対応を余儀なくされたことと思います。世の中がどのように変化するのか予想が難しい中、新しいスタートを迎える皆さんをマツダを代表して心から歓迎します。


 皆さんも良く聞かれるように、自動車業界は、100年に一度の変革期の真っ只中にあります。「CASE」や「カーボンニュートラルへの挑戦」に代表されるように、自動車のビジネスモデルは私たちの想定を上回る規模とスピードで変化しています。カーボンニュートラルについては、毎日報道されているように電動化技術と商品の開発と普及に加え、生産時の電力やエネルギーの脱炭素化を進めて行く時代になります。お客さまのご要望に応じ、オンラインでの販売やサブスクリプション等、新たな保有や所有方法の普及が進んでいます。また、保有期間に於いてもソフトウェアの書き換えにより、先進安全技術、動力性能、燃費等の商品改良や様々なアプリケーションの追加等、新たな価値を、絶えずお客さまに提供する世の中になってきます。テスラや米中の新興企業の市場参入や既存の自動車会社がしのぎを削る競争の中、当社は私たちの価値観と行動を変革し、全員の力を結集してお客さまから求められる存在で、あり続けることを目指します。


 一方、いつの時代でも変わらない私たちが目指す姿があります。それは、クルマを通じた地球、社会、人への貢献を目的としたコーポレートビジョンの実現です。「私たちはクルマをこよなく愛しています。人々と共に、クルマを通じて豊かな人生を過ごしていきたい。未来においても地球や社会とクルマが共存している姿を思い描き、どんな困難にも独創的な発想で、挑戦し続けています。」このコーポレートビジョンは普遍的なものであり、これを実現することが私たちマツダが存在する意義でもあります。


 コーポレートビジョンの実現に一歩ずつ近づき、自動車業界の変革期を乗り越え、マツダが企業として発展し続けるために大切にしなければならないものは、「人と共に創るマツダの独自性」です。お客さまにクルマを通じて豊かな人生を過ごしていただけるよう、開発、生産、購買、販売、サービス領域等の社内関係者のみならず、部品や材料、設備のお取引先様、輸送会社様や販売会社様など、多くの社外の関係会社の方々と共に創造する「共創」を進めています。多くの関係者が力を結集し、商品・技術・顧客体験において、マツダならではの価値を創造し続けることが「人と共に創るマツダの独自性」であり、大切にしたい考え方です。


 皆さんもこれから多くの方々と関わり「人と共に創るマツダの独自性」を追求していくことになります。その時に皆さんに大切にしていただきたい仕事をする上での考え方があります。それは「Mazda Way」です。「誠実」「基本・着実」「継続的改善」「挑戦」「自分発」「共育」「One Mazda」の7つの考え方から成り立っています。これから皆さんに「Mazda Way」に基づくエピソードを2つ紹介したいと思います。


 まず、1つ目は「基本・着実」です。
 コロナ禍という難局を乗り越えるため、私たちはどのように地域のお役に立てるかを考え、取り組んできました。そのうちの一つが医療現場で使用できるフェイスシールドフレームの製作・供給です。これは広島県からの要請を受けて始まりましたが、“私たちらしく地域の役に立ちたい”という思いと、日頃から基本・着実という考えの下で積み重ねてきたモノ造りの技術・技能を活かし、着手から1週間という短期間で生産を実現させることができました。ビジネスの世界では、突然思いがけない事態に遭遇したとしても成果を出すことが求められます。そのためには、普段から基本・着実に仕事の基盤を強化し続けなければなりません。「基本・着実」の重要性はマツダの品質方針のこころにも表れています。「確かな仕事の積み重ねで、お客さまに喜ばれる商品・サービスを提供する」。新入社員の皆さんは、最初は与えられた仕事に精一杯取り組んでください。どんな仕事であっても基本・着実を大切にして取り組み、完遂することで仕事の本質やチームワークなどそこで経験した失敗すらも含めて必ず将来に繋がる力を身に付けることができます。そしていつか遭遇するであろう大事な場面において力を出し切ることができる人になっていただきたいと思います。


 2つ目は「One Mazda」です。
 「One Mazda」とは、チーム一丸となって個別最適ではなく全体最適で考え、行動することを言います。この「One Mazda」に関する最近の事例をご紹介します。私たちのユニフォームは昨年の創立100周年に合わせて計画し、今年刷新されたばかりのものです。従業員がマツダの一員としての誇りを持ち、そして全従業員の力を結集する。そんな姿を実現したい、との願いを込めて活動を進め人事、デザイン、工場、取引先様がデザイン、実用性、耐久性などを話し合い、検証しながら製作しました。皆さんの仕事でも同様で、一人の力では乗り切ることが難しい場面でも仲間がいれば克服できる課題はたくさんあります。その仲間を得るためには、成し遂げたい姿を伝え、理解してもらうための対話が欠かせません。対話を通じて仲間と助け合いながら、共通のゴールを目指していきましょう。


 今日からみなさんは私たちマツダの仲間です。これまでの100年を築いた先輩方から受け継いだ「飽くなき挑戦」の精神を胸にMazda Wayの、特に本日お話しした「基本・着実」・「One Mazda」の考え方に基づき、次の100年の歴史を共に築いていきましょう。皆さんのご健闘とご活躍を心から期待して私の歓迎の挨拶と致します。