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第1793号 2004年10月27日

マツダ(株)、RX-8水素ロータリーエンジン車の公道走行を開始

−国土交通省大臣認定を受け、ナンバープレートを取得−

 マツダ(株)は、水素でもガソリンでも走行できるデュアルフューエルシステムを採用したRX-8水素ロータリーエンジン車の国土交通大臣認定を受け、本日ナンバープレートを取得し公道走行試験を開始する。水素とガソリンの二つの燃料が使用できる水素ロータリーエンジン車が公道を走行するのは世界で初めてのこととなる。

※ 運転席でのスイッチの切り替えにより、水素での走行/ガソリンでの走行を選択できるシステム。

マツダRX-8水素ロータリーエンジン車
マツダRX-8水素ロータリーエンジン車

 公道走行試験は、デュアルフューエル水素自動車としてのデータ収集や公道における実用性能の把握などを目的に実施する。マツダは昨年の東京モーターショーでRX-8水素ロータリーエンジン開発車を発表し、その後12ヵ月で公道走行試験の段階に入る。今後2年以内に官公庁/企業向けリース販売開始を目標に、実用化に向けて開発を進めていく。

 RX-8水素ロータリーエンジン車は、市販のRX-8に搭載されているRENESISエンジンをデュアルフューエルシステム用に変更し、ローターハウジングに設けた電子制御水素ガスインジェクターで水素を直接噴射する方式を採用している。
 また、高圧水素ガスタンクとガソリンタンクを備えながら、ベース車両と変わらない4名の乗車定員を確保した実用性の高い室内空間を実現している。

 水素ロータリーエンジンは、CO2(二酸化炭素)排出量はゼロ、NOx(窒素酸化物)もほとんど発生しない優れた環境性能を持ち、内燃機関特有の自然なドライビングフィールを損なうことなく環境性能との両立を実現している。既存のエンジン部品や生産設備などを活用できるため、低コストでの実用化が可能であり、高い信頼性も備えている。
 また、デュアルフューエルシステムの採用によって、水素とガソリンのどちらでも走行できるため、水素ステーションなどのインフラが未整備の地域でも水素燃料切れの不安なく走行できる。マツダは、内燃機関の可能性を示すエンジンとして実用化に向けた開発を進め、水素エネルギー社会の実現に貢献したいと考えている。


「マツダ RX-8 水素ロータリーエンジン車」の主要諸元は以下の通り。

ベース車両 マツダ RX-8
ベースエンジン 13B デュアルフューエル水素ロータリーエンジン
ベース車両 マツダ RX-8
全長 4.435m
全幅 1.770m
全高 1.325m
ホイールベース 2.700m
車両重量 1,440kg
乗車定員 4名
使用燃料 水素及びガソリン
燃料タンク 水素:74L/35MPa(350気圧)高圧水素ガスタンク
    ガソリン: 61L

<ご参考>マツダの水素自動車開発の歩み
1991年   水素ロータリーエンジン第1号車 HR-Xを開発
1992年   燃料電池搭載ゴルフカートの実験走行
1993年   水素ロータリーエンジン第2号車 HR-X2を開発
    水素ロータリーエンジン搭載のロードスター実験車を開発
1995年   水素ロータリーエンジン搭載のカペラカーゴで、日本初の公道試験走行を実施
1997年   デミオFC-EVを開発
2001年   プレマシーFC-EVを開発、日本初の公道試験走行を実施 (メタノール改質方式)
2003年   RX-8水素ロータリーエンジン開発車を発表
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