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第1643号 2001年2月27日

「MXスポーツツアラー」をジュネーブモーターショーに出品

−ドライビングプレジャーをハイブリッドシステムで実現するコンセプトモデル−

マツダ(株)は、近未来型スポーツツアラーのコンセプトモデル「MX SPORT TOURER(エムエックス スポーツ ツアラー)」を、本日からスイスで開催される第71回ジュネーブモーターショー*1に出品する。MXスポーツツアラーは、マツダブランドがもつスポーティーな個性を近未来のクルマとして表現したモデルで、革新的なデザインおよびハイブリッドシステムやトロイダルCVT*2などの新技術をコンセプトとして盛り込んでいる。マツダはMXスポーツツアラーの他に、新型ロータリーエンジンを搭載する新世代4ドアスポーツカー「RX-8」も出品する。


「MX SPORT TOURER(エムエックス スポーツ ツアラー)」

新しいミレニアムへの提案
MXスポーツツアラーは、マツダブランドの「センスの良い」、「創意に富む」、「はつらつとした」個性を表現しながら、スポーツカーとスペースワゴン、そしてドライビングプレジャーと環境への配慮を両立した、マツダの新しいミレニアムへの提案である。
MXスポーツツアラーの主な特長は以下のとおり。
1. 高次元で融合したスタイリングと機能性アクティブなライフスタイルをサポートする多彩な機構と融合した躍動感のある美しいデザイン。
2. ハイブリッドシステムの採用による環境への配慮とドライビングプレジャーの両立前輪を駆動する軽量でハイパワーな2.0リットルS-VT*3直噴エンジンをベースに、必要に応じて後輪を駆動するモーターを採用したハイブリッド4WDシステムがクリーンかつ経済的な走りを実現。さらに追い越し時など、ハンドル上の「Zoom-Zoom(ズーム ズーム)」スイッチを押すことによって、後輪も駆動させて素早い加速が可能。
3. パッケージングイノベーションセンターピラーレスのフリースタイルドアシステム、多彩なシート機能とアレンジ、そしてじゃばら風にスライドして開放することによってピックアップ車としての機能を付加できるバリオラメーラルーフ。



デザイン−スタイリングと機能性の融合
(1)エクステリアデザイン
マツダが次世代のデザインテーマを探求する過程で、スポーツカーとスペースワゴンを新次元で融合することによって生まれたのがMXスポーツツアラーである。
低く構えたワイドなフロントビューはこの車の走りの良さを想起させる。サイドビューは、フロントのブランドシンボルを起点にリアへ伸びやかに繋がっていく「ウェッジシェイプ(クサビ形)」を形成、そしてリアビューは個性的な立体造形となっている。さらに、オープンエアドライビングの楽しさを提供するバリオラメーラルーフ、後部座席や荷室へのアクセスを容易にするセンターピラーレスのフリースタイルドア、「反応の優れたハンドリングと性能」を支える大径ホイールなどを採用した。これらの機能と美しいシルエットを調和させることで、アクティブなライフスタイルをサポートするスポーツツアラーとしてのスタイルを創り上げている。


(2)インテリアデザイン
インテリアは、機能的なスポーツカーのコックピットと、使いやすいスペースワゴンの荷室を融合することによって、「抜群の機能性」を実現している。
2人を包み込むデザインのコックピットには、操作系と表示系を独立させて機器類を使いやすく配置、スポーツマインドを高める4連丸型メーターや機能部分を集約したアルミセンターパネルを採用した。また、スポーツシートにはベンチレーション機能やユニバーサルデザインのベルトアンカーを装備すると共に、疲労低減効果を考慮した形状で快適性とホールド性を両立した。MXスポーツツアラーのインテリアはマツダ特有のスポーティーな雰囲気や「Fun to Drive」に満ち溢れている。
アルミシルバーとオレンジのツートーンカラー仕上げの荷室は、前後にスライドするバリオラメーラルーフと昇降式リアゲートウインドーによって、大きな荷物も簡単に収納できる。また、リアシートは後部からワンタッチで可倒、内蔵のフックは荷物を簡単、確実に固定でき、操作性の向上に貢献している。
そして、室内はトノカバーによって荷室とコックピットを完全に分離できるので、荷物を満載した状態でも快適な空間を保つことができる。


ハイブリッドシステムの採用による環境への配慮とドライビングプレジャーの両立
新しいハイブリッド4WDシステムは、前輪を駆動するパワーと燃費を両立した2.0リットルS-VT直噴エンジンと、状況に応じて後輪を駆動するモーターとの2つの動力システムで構成され、場面に応じた最適な走行モードを提供する。例えば、通常はガソリンエンジンを使用した低燃費走行、市街地に入ればリアモーターによるクリーン走行、そして高速や山岳路では4WDでのダイナミックでパワフルな走行といった使い分けが可能になる。また、ハンドル上の「Zoom-Zoom(ズーム ズーム)」スイッチによってリアモーターを任意に作動させ、追い越し等に際し加速を素早く得ることができ、従来のハイブリッド車では難しかったドライビングプレジャーを実現している。

新開発の4輪マルチリンクサスペンションと減衰力連続可変型のダンパーM-SDS(マツダスカイフックダンピングサスペンション)は、車体の挙動を最適に制御する機能をもつ。
変速機については、マツダ独自のFF用トロイダルCVTがハイパワーを効率的に伝達、ステアリング裏のウイングシフトにより、マニュアル変速を可能にする。
また、大径370mmのディスクブレーキは、20インチタイヤと共にブレーキ性能を向上させ、DSC*4やEBD*5は電動モーター用の電源を充電する回生ブレーキシステムと協調制御して、低燃費と安全をサポートする。
走る、曲がる、止まる、すべてにわたって考え抜かれたダイナミック性能は、マツダ車特有の人馬一体感に一段と磨きをかけている。


パッケージングイノベーション−使いやすさの革新
スポーティーで洗練されたインテリアは、使いやすく優れた機能を満載した空間でもある。
(1) フリースタイルドアシステム
洗練されたクーペスタイルにセンターピラーの無いフリ-スタイルドアシステムを採用することによって、乗降性を向上させると共に後部の荷室へのアクセスも容易にした。
(2) シート機能&アレンジ
スポーティなデザインながらゆったり座れるシートには、長時間でも快適に過ごせるベンチレーション機能に加えてマツダ独自開発の「疲労緩和構造」を採用した。助手席は前方に倒すことによってテーブルに変わり、リアシートはワンタッチでフルフラット格納が可能、最大で710Lの荷室空間を確保できる。また、リアゲートウインドーは昇降可能で、ラゲッジルームへのアクセスを容易にした。
(3) オープンエアモータリング
大開口バリオラメーラルーフは前後へのスライド開閉が可能、オープンカーを操るような開放感や楽しさだけでなくオープンピックアップとしての機能性も付加した。
(4) IT関連技術
IDカードによるキーレスエントリーシステムや、ブルートゥースによるコードレス機能で脱着可能な大型10.4インチのコンピュータディスプレーなど、最新のIT関連技術を各所に採用し、ヒューマンインターフェィスも考慮した利便性と安全性の向上を図った。

*1 ジュネーブモーターショー(正式名:Salon International de l'Automobile)は、1905年に始まった伝統あるモーターショーである。今年の開催期間は、プレスデーが2月27、28日、一般公開が3月1~11日となっている。
*2 Continuously Variable Transmission(無段変速機)
*3 Sequential Valve Timing(連続位相可変バルブタイミング機構)
*4 Dynamic Stability Control(ダイナミック スタビリティー コントロール)
*5 Electric Braking Force Distribution(電子制御制動力配分システム)


■主要諸元
寸法 全長 4,575 mm
全幅 1,790 mm
全高 1,430 mm
ホイールベース 2,670 mm
トレッド・前/後 1,550/1,550 mm
乗車定員 4名
エンジン 種類 2.0L直列4気筒S-VT直噴ガソリン/電動モーター
サスペンション 懸架方式・前/後 4輪マルチリンクサスペンション
ブレーキ 主ブレーキ形式・前/後 前:ベンチレーティッドディスク、後:ディスク
タイヤ&ホイール   Dunlop Runflat System 225/45ZR20
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