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第1626号 2000年10月30日

新発想のSUV 「トリビュート」を発表

−オンロードでの高い操縦性能と広い室内を実現、ライトSUV初の3リットルV6エンジンを搭載ー

 マツダ(株)は、スポーツユーティリティビークル(SUV)「トリビュート(*1)」を本日発表した。発売は全国のマツダ系、マツダアンフィニ系販売店を通じて11月30日から行う。

 トリビュートは、広い室内と際立つスタイリングをもち、悪路走破性能を確保しながら、オンロードでの操縦性能を従来のSUVにない高いレベルで実現、マツダブランドの個性である「センスの良い」、「創意に富む」、「はつらつとした」をクルマ全体で表現している。

 「これまでの多くのSUVは、オンロードでの操縦性能にもの足りなさがあった。トリビュートはマツダの走りのDNAを反映させることで、『ドライビング・エンタテインメントSUV』という新しい価値を提供しており、まさにブランドメッセージの『心を動かす新発想。』を具現化している。」とマツダのマーク フィールズ社長は語っている。

SUVを操る楽しさ −高いボディ剛性、新設計のサスペンション、パワフルな3リットルV6エンジンなどにより、オンロードでの運転する楽しさを実現。充分な最低地上高や電磁ロック機構付4WDシステムにより、悪路走破性能も確保。
広い室内空間と荷室、快適な着座姿勢と良好な視界、乗降性 −セダンやトラックからの派生でなく、新開発のSUV専用車台(プラットフォーム)を採用することで、各要素をベストバランスさせ実現。
街中でも自然の中でも際立つ外観 −セダンのような洗練とSUVらしい力強さを融合させたスタイリング。
世界トップレベルの高い安全性 −進化した高剛性・安全ボディ「MAGMA」(*2)を採用、ISOFIXチャイルドシート対応アンカー及びトップテザーアンカーを装備。
環境への配慮 −3リットルV6搭載車が「優−低排出ガス」、2リットル直4搭載車が「良−低排出ガス」に認定。
バリューフォーマネー −これらの商品特長をもちながら、3リットルV6 4WD LXで2,248千円、2リットル直4 2WD LXで1,798千円とお求めやすい価格設定とした。

 月間販売計画は1,500台である。

トリビュート
トリビュート 4WD 3リットル V6 GL-X (販売店オプション装着車)

 トリビュートは、マツダが米国フォード社と共同開発したクルマである。右ハンドル車はマツダの防府工場で、左ハンドル車はフォード社の米国カンザスシティ工場で生産される。

(*1) 車名のトリビュート(Tribute)は、「感謝の証として捧げるもの/賛辞」を意味する英語に由来し、マツダの創造性及び技術力をお客様に捧げ、アクティブなライフスタイルの実現に寄与するという思いを込めて命名したものである。
(*2) 「MAGMA」:Mazda Geometric Motion Absorption (マツダの全方向衝撃吸収構造ボディ)

■トリビュートの商品概要は次の通り。

1.走りの性能−オンロードでもドライビングが楽しめるSUVの実現
マツダは"意のままに操れる人馬一体のドライビングプレジャー(運転する楽しさ)"を、乗用車共通テーマである「ダイナミック(走りの)DNA」と定義している。トリビュートは、悪路走破性能を確保しながら、ボディやサスペンションを徹底的に鍛え上げることで、従来のSUVと一線を画す「オンロードでもドライビングが楽しめるSUV」とした。

ボディ

進化した高剛性・安全ボディ「MAGMA」を採用し、軽量化を図りながら重要部分の効果的な強化を行った結果、ボディ剛性はモノコックボディをもつSUVの中でトップレベルを実現している。

シャシー

積載状況にかかわらずオンロード/オフロードの両方で高い操縦安定性を実現するため、サスペンションはフロントにマクファーソンストラット、リアにマルチリンクを採用した。ロールステア特性の設定などきめこまかなチューニングにより、「正確でしっかりとしたハンドリング」、「フラットな乗り心地」を実現している。
ステアリングはラック&ピニオン式とし、ステアリングギア比は16.4:1とクイックな設定とした。
ブレーキはフロントに大容量ベンチレーティッドディスクを採用し、リアのドラムブレーキの容量も十分に確保。EBD(電子制御制動力配分システム)付ABSなどにより、高い制動性能を得ている。

パワートレイン

3リットルV6DOHCエンジンは、パワフルなだけでなく2,000rpmの低回転域から最大トルクの90%以上を発生し扱いやすい。また、レギュラーガソリン仕様で経済性が高く、静粛性、排出ガス性能も優れている。
2リットル直列4気筒DOHCエンジンは、V6同様レギュラーガソリン仕様であり、優れた実用性能と排出ガス性能を実現している。
  3リットルV6(AJ型)エンジン 2リットル直4(YF型)エンジン
総排気量 2,967cc 1,988cc
最高出力(SAE NET) 149kw(203PS)/6,000rpm 95kw(129PS)/5,400rpm
最大トルク(SAE NET) 265Nm(27.0kg-m)/4,700rpm 183Nm(18.7kg-m)/4,500rpm
4WDには、シンプルで実用的な電磁ロック機構付ロータリーブレードカップリング(RBC)式を採用している。RBCにより、通常はほぼ前輪駆動で走行し、前輪がスリップした場合後輪にも自動的に駆動力を配分して、雪道などでの走行安定性を高めることができる。また、走行中でもインパネのスイッチ操作により電磁ロック機構を瞬時に作動させ4WDに固定することが可能であり、圧雪路などでのより安定した走行を実現するとともに、ぬかるみなどでスリップした際の脱出が容易になる。

2.パッケージング−広い室内空間と荷室、快適な着座姿勢と良好な視界

全長をファミリアセダンなみの4,395mmに抑えながら、ロングホイールベース、エンジン横置き、短いフロントオーバーハングなどにより、広い室内空間と荷室を実現。
室内長は1,810mmを確保しており、特に後席の足元には余裕がある。
シートは前席に加え、後席もリクライニング可能でありフラットの状態にできる。また、後席は6:4の分割可倒式とした上で、座面フリップアップ機構と脱着機構を備えており、荷室を拡大できる。
荷室長は922mmもあり、後席の座面を取り外し背もたれを前に倒すとさらに広がり、最大1,820リットル(SAE-V6)の荷室容量を持つ。マウンテンバイクなど大型レジャーアイテムも積載可能。また、コンパクトなリアマルチリンクサスペンションによりホイールハウスの張り出しが小さく、荷物の積載性がよい。上部ヒンジのリアゲートは開口部が大きく、小物の積み降ろしに便利なガラスハッチを備えている。
専用設計の車台により、シート位置はトラックベースのSUVとセダンベースのSUVの中間の最適な高さとした。さらに、ステップなしで乗降できる低めのフロア高としながら、フロアとシート座面との間の寸法をゆったりと取ることで上体を起こした着座姿勢としており、長時間のドライブでも快適である。
良好な前方視界に加え後方視界についても、フロア収納式のスペアタイヤとした上で、リアウインドーの中央部を低くすることで向上させている。

3.デザイン−街中でも自然の中でも際立つ外観

マツダのデザインテーマ「コントラスト イン ハーモニー」を反映させ、ボンネットのキャラクターラインや力強い前後のフレアフェンダーなどにより、街中でも自然の中でも際立つ外観とした。
GL-Xは、力感溢れるサイドクラディングパネルを装着して、躍動感を一層高めている。
インテリアは、乗用車感覚の快適性と、機能性を重視した造形としている。

4.装備−徹底的に追求した使い勝手と、セダンなみの快適性、先進の装備

シートは、人間工学に基づいて長時間座っても疲れない快適な形状とクッション性能を追求した。
オーバーヘッドコンソール、助手席シートアンダートレイなど室内の各所に便利な小物入れを配している。
オートエアコンを全車に標準装備、空調パネルは操作しやすいロータリーノブの3連ダイヤルを採用した。
モジュール化したキットの選択が可能で、将来の追加・交換の自由度を高めたマツダ独自の新発想オーディオシステムを採用した。ベースユニット(AM/FM電子チューナー付)を標準装備しており、販売店オプションで、上段にCDあるいはCDチェンジャーを、下段にMDあるいはカセットを用意している。
マツダテレマティックス対応CD-ROMカーナビを、GL-XとLXのGパッケージ装着車にオプション設定した。販売店オプションの対応アダプターを装着し会員になれば、入会金、年会費無料でマツダテレマティックスセンターの様々な情報サービスを受けることができる(*1)。また、このカーナビはiモード対応機能をもっており、iモードの多様なコンテンツが利用できる(*2)。
注:*1 対応カーナビゲーションシステムによるマツダテレマティックスへの接続には、販売店オプションのマツダテレマティックス対応アダプター(ハンズフリーキット付)と携帯電話(cdma OneとPHSを除く)が必要です。なお、電話通話料金、プロバイダー費用はお客様負担となります。
*2 ・「iモード」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。・「iモード」を利用するには、800MHzデジタル契約とは別にパケット通信サービス契約及び iモード契約が必要です。・「iモード」を利用するには、カーナビ対応のiモード携帯電話と別売りのマツダテレマティックス対応アダプター(ハンズフリーキット付)が必要です。

5.セーフティ−世界トップレベルの高い衝突安全性

あらゆる方向からの衝突に配慮し、世界各国の衝突安全基準よりもさらに厳しい社内基準を設け、コンピュータシミュレーションなどを用いた設計、実験評価により世界トップレベルの衝突安全性を実現した。
時速56kmでのフルラップ正面衝突や時速64kmでの40%オフセット正面衝突、時速55kmでの側面衝突、時速50kmでの斜衝突およびポール衝突、時速55km後面衝突などのテストを実施。特に車両後ろ回りについては、フルラップ後面衝突、50%オフセット後面衝突、車体後部側面衝突それぞれの試験を時速80kmの車対車モードで行い、安全性を確認している。
トリプルH構造を用いたマツダ独自の高剛性・安全ボディ「MAGMA」を採用した上で、衝突時の衝突エネルギーコントロールを一層きめこまかく行ない、さらに進化させた。
前席にプリテンショナー&ロードリミッタ−機構付シートベルトを標準装備。プリテンショナー機構には、ベルトのたるみをよりすばやく取り、乗員の拘束性を高めるバックル側引き込み式をマツダ車で初採用した。
運転席/助手席SRS*エアバックを全車に標準装備し、頭部保護機能付前席SRSサイドエアバックを全車に標準もしくはオプション設定している。* SRS : Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置)
後席(左右)には、国際基準 であるISOFIXに対応したチャイルドシートを簡単かつ確実に装着することができる、ISOFIX対応チャイルドシートアンカーを設けた。さらに、チャイルドシート上部を固定するトップテザーアンカーをリアシート後方の天井部に設置。チャイルドシート下部をISO-FIXで、上部をトップテザーで固定することで、万一の衝突時にチャイルドシートの転倒や前方飛び出しを抑制し、チャイルドシートの装着効果をより高めることができる。

6.環境への配慮−3リットルV6搭載車は「優−低排出ガス」に認定

3リットルV6エンジンは両バンクに配したエキゾースト・マニフォールド直下式三元触媒に加え、フロア下にも三元触媒を採用することで、優れた排出ガス性能を実現。これにより、3リットルV6エンジン搭載車*は、低排出ガス車認定制度における平成12年基準排出ガス50%低減レベル(優-低排出ガス)の認定を取得。また、2リットル4気筒エンジン搭載車*も、同25%低減レベル(良-低排出ガス)の認定を取得している。
* トリビュートは全車、平成12年排出ガス規制に適合しており、平成13年2月28日登録分まで自動車取得税が0.1%軽減される。

■車両本体希望小売価格。(消費税を含まず)

(単位:千円)  
エンジン 駆動 グレード 全国希望小売価格
2リットル直4 2WD LX 1,798
4WD 1,998
3リットルV6 2,248
GL-X 2,548
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全車寒冷地仕様車。
LXにメーカーオプションで設定したGパッケージは163千円高。Gパッケージの内容は、アルミホイール、電動格納式カラードアミラー、ダークティンテッドガラス、キーレスエントリー、頭部保護機能付SRSサイドエアバッグ。
☆印は写真掲載機種。ただし写真の車両は、販売店オプションのフロントエアダムスカート、サイドエアダムスカート、リアアンダースカート、リアルーフスポイラー、取付費込希望小売価格合計184千円を装着。
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