マツダ㈱は、オープンスポーツカー「ロードスター」の内外装に変更を加えるとともに、1.8リットルエンジンの出力及びボディ剛性を向上させるなど、大幅な商品改良を行い、本日より全国のマツダアンフィニ系販売店および一部のマツダ系販売店を通じて発売する。
1989年9月に初代モデルを発売したロードスターは"人馬一体"をキーワードに開発され、意のままに操る楽しさや、オープンで走る爽快感、個性的なスタイルなどが世界中で好評を博し、オープン2シー タースポーツカーの市場を再び活性化させた。初代発売から11年間で56万台以上*1を生産し、「2人乗り小型オープンスポーツカー生産台数世界一」としてギネスワールドレコードに正式認定された世界的ヒット商品である。
マツダブランドの個性は「センスの良い」、「創意に富む」、「はつらつとした」で表される。その個性を実現するための商品づくりの指針は「際立つデザイン」、「抜群の機能性」、「反応の優れたハンドリングと性能」の3つをキーワードとしている。ロードスターは、その指針に基づきマツダブランドの個性を表現した、マツダブランドを象徴するモデルである。
マツダでは、ロードスターがもつ"意のままに操れる人馬一体のドライビングプレジャー(運転する楽しさ)"を「ダイナミックDNA」と定義し、反応の優れたハンドリングと性能を実現するための乗用車共通テーマとして設定している。新ロードスターは、エンジン、ボディ、サスペンションの改良により、この"人馬一体"をさらに進化させた。月間販売台数は500台を計画している。
新ロードスターの主な特長は以下の通り。
1. |
ヘッドランプとフロントバンパーデザインの一新による、精悍さと質感を向上させたスタイル |
2. |
吸気バルブタイミングを最適化するS−VT機構を採用することで、全域にわたりエンジンフィーリングと出力を向上させた新1.8リットルエンジン |
3. |
ボディフレームの補強、クロスメンバーの追加によるボディ剛性の強化と、サスペンション性能、ブレーキフィール及び制動性能を高めることにより、走りの質感を一段と向上 |
4. |
サポート性能を高め、クルマとの一体感を向上させた、新ハイバックタイプバケットシート |
5. |
購入後に各オーディオキットの追加・交換が可能な新発想オーディオの採用、カップホルダーの使い勝手を高めたセンターコンソールなど実用性を高めた装備 |
ロードスター 1800 RS
*1: |
ロードスターは、1989年4月から生産開始し2000年6月末までの約11年間で565,779台を生産した。その間、1998年 1月に2代目へとフルモデルチェンジしている。 |
■新ロードスターの商品概要は以下の通り。
1.スポーツマインド、質感を向上させ、精悍なスタイルに一新
マツダのデザインテーマである「コントラスト イン ハーモニー」に基づいた内外装の変更により、スポーツマインドと精悍さを一層高めた。
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マツダのファミリーフェイスであるファイブポイントグリルを、フロントバンパーのエアインテークで表現した。あわせて、ヘッドランプをシャープなデザインに変更することで、マツダらしいスタイリッシュで精悍な表情とした。 |
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ヘッドランプはハイビームにマルチリフレクタータイプ、ロービームにプロジェクタータイプを採用した。加えて、リアコンビランプはウィンカーを透明感あるデザインに変更し質感を向上させた。 |
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メーターは新たに白色文字盤とメッキリングを採用し、照明を赤色とした。あわせてドアトリムのデザインを変更することで、インテリアのスポーツ感と質感を向上させた。 |
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走りを重視した機種「RS」には黒色内装に加えて、一層スポーツ感を強めた赤と黒のツートーン内装の「RS-II」を設定した。 |
2.人馬一体のドライビングプレジャーの進化
マツダでは、ロードスターが培ってきた"意のままに操れる人馬一体のドライビングプレジャー"を、乗用車共通のテーマである「ダイナミックDNA」と定義している。ロードスターの具現化している走りのDNAは「正確でしっかりしたハンドリング」、「応答が良くリニアなブレーキ」、「フラットでしっかりした乗り心地」、「リニアで躍動的な走り」の4つで構成される。 新ロードスターでは、エンジン、ボディ、サスペンションなどを改良し、マツダブランドを象徴するモデルとして、ドライビングプレジャーを一層進化させている。
エンジン性能の向上 |
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1.8リットルエンジンに、低回転域から高回転域まで連続して吸気バルブタイミングを最適化するS−VT機構*2を採用することで出力を向上させた。加えて、吸排気系の見直しなどにより、高回転までスムーズで伸びやかなエンジンフィールを実現すると同時に、快いエンジンサウンドとした。 |
エンジン |
最大出力(ネット) |
最大トルク(ネット) |
1.8リットル DOHC S−VT |
118kw(160PS)/7,000rpm |
170Nm(17.3kg−m)/5,500rpm |
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*2:Sequential Valve Timing:連続位相可変バルブタイミング機構。 |
ボディ剛性の向上とサスペンションの改良、205/45R16サイズのタイヤを採用 |
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ボディフレーム、クロスメンバーなどの車体剛性強化部品の徹底的な改良により、ボディ剛性を向上させた。これにより、しっかりしたハンドリングと乗り心地を実現し、走りの質感を向上させた。 |
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205/45R16サイズのタイヤと、フラットなフランジの軽量16インチアルミホイールを、走りを重視した機種「RS、RS-II」に新たに装備している。 |
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RS、RS-IIのボディは、トラスメンバーを新たに追加するなど補強を施すことで、ボディ剛性を飛躍的に向上させた。 |
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RS、RS-IIには、バウンド側のみを専用にコントロールするバルブを追加したビルシュタイン社製の新構造ダンパーを国内で初めて採用し、操舵感を向上させた。 |
ブレーキの強化 |
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16インチタイヤ装着車のブレーキディスクを大径化するとともに、14インチ及び15インチタイヤ装着車のブレーキについては、マスターシリンダー及びバキュームブースターのサイズをそれぞれ大型化することで、制動性能、ブレーキフィールを向上させた。 |
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ブレーキング時の前後荷重の変化に合わせて、前後の制動力を最適に配分するEBD(電子制御制動力配分システム)付き4W‐ABSを標準又はオプション設定とした。 |
シート性能の向上 |
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シートの形状と構造を変更し、ショルダー、ランバー、サイドのホールド性を向上させ、クルマとの一体感を高めた。 |
3.日常での使い勝手を向上 スポーツカーを日常でも存分に楽しく使うために、購入後に各キットを追加・交換できる新発想オーディオを採用するとともに、センターコンソールを変更しカップホルダーなどを充実させた。
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各オーディオキットのモジュール化により、購入後にCDチェンジャーやMDキットなどを容易に追加または交換することができる、新発想オーディオを採用した。次世代のオーディオメディアへの対応も考慮しており、購入後の拡張性に配慮したマツダ独自の装備である。 |
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センターコンソールボックスのサイズを拡大し、音楽CDを6枚収納可能とした。 |
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カップホルダーと灰皿の形状及び位置を変更し、使い勝手を向上させた。灰皿については、取り外すと小物入れとして使用できる他、停車時にはカップホルダーとしても使用可能なタイプとした。 |
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トランクオープナー付きキーレスエントリーを一部の機種に標準又はオプション設定し、従来から好評のゴルブバッグ(9インチサイズ)が2つ収納可能なトランクルームを、より使いやすくした。 |
4.安全性の向上
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シートベルトはロードリミッター機構に加えて、新たにプリテンショナー機構を追加し、従来から装備している運転席及び助手席SRS*3エアバックと合わせて全車標準装備とした。 *3:SRS…Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置) |
■車両本体の希望小売り価格は以下の通り。(消費税を含まず)
(単位:千円) |
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エンジン |
機種 |
変速機 |
全国希望小売り価格 |
1600 DOHC |
M |
5MT |
1,839 |
4EC−AT |
1,982 |
SP |
5MT |
1,990 |
4EC−AT |
2,040 |
1800 DOHC S−VT |
S |
6MT |
2,178 |
4EC−AT |
2,226 |
RS |
6MT |
2,328 |
RS‐II |
6MT |
2,437 |
VS |
6MT |
2,390 |
4EC−AT |
2,438 |
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(注) | ・4W-ABSは48千円高(SP及びAT車は標準)
・☆印は写真掲載機種 |
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