マツダ(株)は、キャブオーバートラック「タイタン」をフルモデルチェンジし、
全国のマツダ系販売店及び一部のマツダアンフィニ系販売店を通じて6月20日より発売する
マツダブランドの個性は、「センスの良い」、「創意に富む」、「はつらつとした」で表される。
新型タイタンは、その個性を表現するために、マツダの商品づくりの指針である「際立つデザイン」、「抜群の機能性」、「反応の優れたハンドリングと性能」をクルマ全体で具現化している。そのなかでも新型タイタンは、商用車としての「抜群の機能性」をひときわ高いレベルで実現した。
タイタンは、1971年の初代発売以来、「基本性能の高さ」や「タフさ」といった「タイタンらしさ」を代々継承、進化させてきた。5代目となる新型タイタンでは、
実際に仕事現場で直接お客様から伺った声を参考に、積載性など商用車としての基本性能をさらに高めながら、新発想のパッケージングによりクラストップの室内空間を実現した4ナンバーハイルーフ車を新たに設定するなど、快適な運転環境を提供する数多くの創意工夫を施し、新しい時代のニーズに合致した商品としている。
新型タイタンの主な特長は以下の通り。
| 1. |
クラストップの室内空間をもつ4ナンバーハイルーフ車の設定などによる
快適な運転環境の実現
|
| 2. |
荷台寸法の拡大や使い勝手を高める装備の充実による積載性と荷役性の向上
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| 3. |
操作性に優れたインパネ、スクエアなキャビン形状など機能的な内外装
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| 4. |
ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションの採用や箱型断面フレームの強化による優れた操縦安定性と乗り心地の両立
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| 5. |
良好な視界の確保やブレーキ性能の強化、安全装備の充実による
安全性の向上
|
| 6. |
自賠責保険料などが安い4ナンバー3トン積み車の新設定による維持費の低減
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「新型タイタンは、4ナンバー ハイルーフ車を新設定するなど『心を動かす新発想』により、お客様の声に応えたベストビジネスパートナーとしている。昨年発売したボンゴとあわせて、商用車への取り組みを強化し、商用車市場におけるマツダブランドの存在感を高めていきたい。」とマーク フィールズ マツダ代表取締役社長は語っている。
販売台数は、月間1,800台を計画している。

新型タイタン 4.6リットル 2トン積み 標準キャビン ハイルーフ
標準ボディ フルワイドロー デラックス仕様車
■ 新型タイタン商品内容詳細
1. 快適な運転環境の実現
キャビンは、広い室内空間を確保しており、新たに設定した4ナンバーのハイルーフ車ではクラストップのスペースを実現した。さらに、最適なドライビングポジションや疲労を軽減するシート形状などにより、快適な運転環境を提供している。また、開口面積の大きなサイドドアなどにより乗降性も向上させた。
(1) |
広い室内空間 |
・ |
キャビンは、フロントピラーの角度を立てたスクエアフォルムを採用しており、頭上及び左右スペースともにクラストップレベルの空間を確保した。特にフルワイドロー及びワイドローに新設定(オートマチック車を除く、1.5~2トン積み、標準ボディ車)した4ナンバーのハイルーフ車では、クラストップの室内空間を実現しており、ヘルメットを装着した状態でも快適な運転姿勢をとることができる。 |
・ |
エンジンの吸気口位置の変更によりシート位置を後方に下げていることや、
フロアパネルの足元をフラット化したことなどにより、足元スペースを拡大している。
|
(2) |
優れた乗降性 |
・ |
サイドドアの開口面積を大きくとっており、楽な乗降姿勢をとることができる。 |
・ |
握りやすい位置にレイアウトしたフロントピラーのアシストグリップ、
大型化したスノコタイプのサイドステップ、ホイールアーチ部に設定した降車時に
便利なハンドステップなど、乗降動作をサポートする装備を充実した。 |
・ |
シートの背もたれと座面の素材には、路面からの振動を抑え快適な乗り心地を提供する高弾性ウレタンを採用した。座面は、サイドサポート部を低く平らな形状として乗り降りをしやすくした。 |
(3) |
最適なドライビングポジション |
・ |
ステアリングは、従来型と比べて、シャフト角度を寝かせぎみに設定した上で、チルト&テレスコピック(ステアリングの前後調節)量の調節幅を拡大した。 |
・ |
運転席シートはシートスライド量を従来型の160mmから180mmに拡大するとともに、スライドピッチを20mmから12mmへと小さくした。 |
2.積載性と荷役性の向上
新設計の木製荷台は、クラストップレベルの荷台内寸法を確保して積載効率を高めている。さらに低い床面地上高の設定や重量を軽減したアオリなどにより、荷役性を向上させた。また、外板をフラット化したアオリを採用したほか、格納式ロードレストストッパーの形状を変更して幌をかけた時に幌が破れにくくするなど、荷台の使い勝手や架装性を高めている。
(1) |
新設計の木製荷台 |
・ |
新設計の木製荷台を設定した。荷台内寸法は、標準キャビン・標準ボディ車で荷台長3,120mm(従来型比+20mm)、荷台幅1,620mm(同+20mm)として、積載効率を高めている。 |
・ |
木製荷台の荷台高は、従来型よりも10mm高い380mmとしており、高さのある荷物や石油缶などの二段重ねでも積載可能としている。 |
・ |
床面地上高は、ワイドローでクラストップレベルの765mm(1.5トン積み、マニュアル車)を実現している。 |
(2) |
荷役性を高める装備 |
・ |
木製荷台の内側は、凹凸を少なくしており、引っ掛かりなどによる積載物の
損傷を防止している。 |
・ |
アオリの外板は、フラットにして看板などの書き込みをしやすく、見栄えを向上させた。 |
・ |
アオリは、剛性を高めながら板厚を抑えて、軽量化を図っている。さらにロングボディ及び超ロングボディ車にはアシスト装置を採用しており、アオリ開閉時の操作力を軽減している。 |
・ |
格納式ストッパー付きロードレストは、幌を装着する際に幌の破れを防止するようにストッパー形状を工夫している。また、ロードレスト上部には、たる木固定用の穴を3ヵ所設けた。 |
(3) |
架装性の向上 |
・ |
装備を充実して荷台の荷役性を向上させるなど、125項目の改良を図り、
架装性を高めた。 |
・ |
エンジン吸気口の位置変更やシャシーフレームの改良により、架装スペースの拡大を図った。 |
3.機能的なデザイン
ひとクラス上の広い室内空間を確保した上で、ドライバーの使い勝手を考えたスイッチ類の配置や豊富な収納スペースの設置などにより機能的なインテリアとした。エクステリアは、フロントにマツダのファミリーフェイスを採用するとともに、スクエアなキャビン形状と大型のフロント及びサイドウインドーの採用により一目で室内の広さを感じさせるデザインとしている。
(1) |
広々感があり、機能的なインテリア |
・ |
スクエアなキャビン形状による広い室内に加え、インストルメントパネル上面をフラットにしたことにより、開放感を与える運転席空間を実現した。 |
・ |
クラスターパネルは運転者を包み込むような形状としており、運転者が姿勢を崩すことなく操作できる位置にスイッチ類を配置した。 |
・ |
エアコンなどのスイッチ類は、手袋を着けたままでも扱いやすい大きなサイズとした。 |
・ |
大型のスピードメーターとタコメーターは、パネルをブルー、グラフィックをオレンジ色にして視認性を高めた。 |
・ |
インストルメントパネルに、リッド付きインパネボックスや容量6リットルのグローブボックスを装備したほか、500mlのペットボトルが収納可能なカップホルダーやカードホルダーを中央部に設けた。また、中央席と助手席シートの背面には、シートを倒すと小物を置くスペースとして利用できるシートバックトレイを新設定し、シート後ろのバックパネルトレイに1.5リットルのペットボトルが収納可能な大型ホルダーを設けるなど、使い勝手が良い収納スペースを豊富に確保した。 |
(2) |
機能美を追求したエクステリア |
・ |
フロントはブランドシンボルとファイブポイントグリルによる、マツダの
ファミリーフェイスを採用した。 |
・ |
スクエアなキャビン形状と、大型のフロント及びサイドウインドーの採用に
より、一目見ただけで室内の広さを感じさせるデザインとした。 |
・ |
フォグランプ内蔵の大型マルチリフレクター式ヘッドランプや大型樹脂バンパーを採用した。 |
・ |
ボディカラーは、機種により、クールホワイト(白)、ダークマリンブルー(濃紺)、ハイライトシルバー(銀)を設定した。 |
4.優れた操縦安定性と乗り心地の両立
サスペンションはフロント、リアともに新設計とし、一部機種にはダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションを採用した。加えて、タイタン伝統の箱型断面フレームを強化するとともに、液体封入式フロントキャブサスペンションを採用して、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現している。
(1) |
新設計のサスペンション |
・ |
1.5~2トン積み・標準キャビン車(トラック)に、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションを採用した。フロントスタビライザーの採用とあいまって、高いロール剛性を確保している。 |
・ |
ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション車のステアリングシステムは、剛性の高いラック&ピニオン式パワーステアリングを採用した。 |
・ |
最小回転半径を従来型より0.3mも小さい4.5mとして取り回しを
しやすくしている(2トン積み・標準キャビン・標準ボディ・フルワイドロー、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション採用車)。 |
・ |
ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション車のリア、及びそれ以外の機種のフロントとリアには、従来型と同様のリーフリジッド式サスペンションを採用した。フロント、リアともに新設計とし、ショックアブソーバーの減衰特性やブッシュを最適にチューニングしている。 |
(2) |
箱型断面フレームと、キャブサスペンションの強化 |
・ |
フレームは、タイタン伝統の箱型断面フレームを採用した。フレーム断面積を拡大、板厚をアップしており、ねじり剛性、曲げ剛性ともに高めている。 |
・ |
キャブサスペンションは、フロントマウントに液体封入式、リアマウントにショックアブソーバー式を採用して、乗り心地を向上させている。 |
(3) |
箱バン専用シャシーの設定 |
・ |
標準及びワイドキャビンのフルワイドロー車に、架装時の走行性を高め
る箱バン専用シャシーを設定した。標準キャビン車のリアサスペンションにスタビライザーを採用しており、車両の重心が高くなる架装時でも安定した走行を実現する。 |
5.安全性の向上
大型フロントウインドー及びサイドのセーフティウインドー、複合曲面アウターミラーの採用により、良好な視界を確保して安全性を高めている。さらに制動性能を強化するとともに、運転席及び助手席SRS(※)エアバッグなど安全装備も充実した。
※SRS:Supplemental Restrain
t System(乗員保護補助装置)
|
(1) |
良好な視界 |
・ |
大型フロントウインドー及びサイドのセーフティウインドーは、ガラス面を拡大しており、車両前方及び側方の良好な視界を確保した。 |
・ |
鏡面の上部と下部とを異なる曲面率として後方視界を拡大する、複合曲面アウターミラーを全車に採用した。デラックス及びカスタム仕様のアウターミラー鏡面は撥水処理を施しており、雨天時の視認性を向上させている。 |
・ |
ウォッシャーノズル内蔵のワイパーは、ブレードの長さを延長して払拭面積を拡大した。 |
・ |
マルチリフレクター式ヘッドランプを採用して、夜間の視認性を高めた。 |
(2) |
ブレーキ性能の強化 |
・ |
リアブレーキを作動させる独立した油圧ユニットをもち、ペダルフィーリングを高めるハイブリッドブレーキを、3.5~4.25トン積み・ワイドキャビン(フルワイドロー)車に採用した。 |
・ |
従来トラックの一部機種に採用していたフロントベンチレーティッドディスクブレーキを、2トン積み、ワイドロー及びフルワイドローのダンプ車にも採用した。 |
・ |
停車時にブレーキペダルから足を離しても制動力を保つことができるスタートアシスト(坂道発進補助装置付き)を2~4.25トン積み車(トラック)に採用した。 |
(3) |
衝突安全性への配慮 |
・ |
正面衝突時にキャビンの変形を抑えながら乗員空間を確保するために、フ
ロアパネルの下面に閉断面のサイドフレームを設けた車体構造とした。また、サイドドアインパクトビームを全車のフロントドアに標準装備した。 |
・ |
運転席SRSエアバッグシステムを1.5~2トン積み・標準キャビン
・標準ボディのカスタム仕様車に標準装備、スタンダード及びデラックス仕様車にオプション設定した。さらに助手席SRSエアバッグシステムをカスタム仕様車にオプ
ション設定した。 |
・ |
衝突時に乗員の胸部及び腹部にかかる衝撃を緩和する衝撃吸収ステアリング
及びステアリングシャフトを全車に採用した。 |
6.維持費の低減
1999年12月の規制緩和により、4ナンバー枠の積載量規制が廃止されたことをうけ、4ナンバー3トン積み(トラック及びダンプの標準ボディ)車を新たに設定した。 4ナンバー3トン積み車は、1ナンバー3トン積み車と比べて自賠責保険料などを大幅に低減でき、維持費を低く抑えることができる。
7.パワフルなエンジンラインナップ
エンジンは、高い出力を発揮するとともに、特に低速トルクが豊かで力強い走りを実現する4つのディーゼルエンジンを設定した。エンジンは、すべて平成10年排出ガス規制に適合している。
(1) |
エンジン |
・ |
直噴の4.6リットル(4HG1型)、4.3リットル(4HF1型)、
4.0リットル(TF型)ディーゼルエンジンは、燃料噴射系を電子制御化することで、より緻密な燃焼のコントロールを可能にした。 |
・ |
過流室式の3.0リットルディーゼルエンジンは、燃焼室形状及び燃料噴射特性を最適化している。 |
(2) |
トランスミッション |
・ |
静粛性を高めた5速及び6速マニュアル、電子制御4速オートマチックを設定した。 |
・ |
オートマチック車には、シフトスケジュールを変更して空荷の状態でもスムーズな走行を実現するAT空車モードスイッチを新たに設定した。 |
■主要機種の車両本体希望小売り価格は以下の通り。
(消費税を含まず)
|
トラック |
(単位:千円)
|
エンジン |
キャビン |
荷台 |
積載量 |
タイプ |
東京 広島 |
大阪 |
名古屋 |
札幌 |
仙台 |
山口 |
福岡 |
3000 |
標準/
ハイルーフ |
標準ボディ |
1.5トン |
ワイドロー |
2,113 |
2,163 |
2,148 |
2,238 |
2,153 |
2,188 |
2,193 |
フルワイドロー |
2,123 |
2,173 |
2,158 |
2,248 |
2,163 |
2,198 |
2,203 |
直噴 4000 |
標準/
ハイルーフ |
標準ボディ |
2.0トン |
ワイドロー |
2,594 |
2,644 |
2,629 |
2,709 |
2,634 |
2,669 |
2,674 |
フルワイドロー |
2,604 |
2,654 |
2,639 |
2,719 |
2,644 |
2,679 |
2,684 |
直噴 4300 |
標準/
ハイルーフ |
標準ボディ |
2.0トン |
フルワイドロー |
2,732 |
2,782 |
2,767 |
2,847 |
2,772 |
2,807 |
2,812 |
ロングボディ |
2.0トン |
高床W |
2,955 |
3,005 |
2,990 |
3,070 |
2,995 |
3,030 |
3,035 |
直噴 4100% |
標準/
ハイルーフ |
標準ボディ |
2.0トン |
フルワイドロー |
2,860 |
2,910 |
2,895 |
2,975 |
2,900 |
2,935 |
2,940 |
標準 |
標準ボディ |
2.0トン |
高床W |
2,860 |
2,910 |
2,895 |
2,975 |
2,900 |
2,935 |
2,940 |
3.0トン |
高床W |
2,880 |
2,930 |
2,915 |
2,995 |
2,920 |
2,955 |
2,960 |
ワイド |
ロングボディ |
2.0トン |
フルワイドロー |
3,203 |
3,253 |
3,238 |
3,318 |
3,243 |
3,278 |
3,283 |
超ロングボディ |
4.0トン |
高床W |
3,543 |
3,593 |
3,578 |
3,658 |
3,583 |
3,618 |
3,623 |
|
. . |
. |
. |
. |
. |
. |
. |
☆ . |
. |
. |
. |
. |
|
ダンプ
エンジン |
キャビン |
荷台 |
積載量 |
タイプ |
東京 広島 |
大阪 |
名古屋 |
札幌 |
仙台 |
山口 |
福岡 |
直噴 4000 |
標準 |
ロングボディ |
2.0トン |
フルワイドロー・標準 |
2,840 |
2,890 |
2,875 |
2,955 |
2,880 |
2,915 |
2,920 |
高床W・ドカロク |
2,905 |
2,955 |
2,940 |
3,020 |
2,945 |
2,980 |
2,985 |
直噴 4300 |
標準 |
ロングボディ |
2.0トン |
ワイドロー・ドカロク |
2,986 |
3,036 |
3,021 |
3,101 |
3,026 |
3,061 |
3,066 |
高床W・ドカロク |
3,001 |
3,051 |
3,036 |
3,116 |
3,041 |
3,076 |
3,081 |
直噴 4100% |
標準 |
ロングボディ |
2.0トン |
高床W・ドカロク |
3,104 |
3,154 |
3,139 |
3,219 |
3,144 |
3,179 |
3,184 |
3.0トン |
高床W・ドカロク |
3,184 |
3,234 |
3,219 |
3,299 |
3,224 |
3,259 |
3,264 |
ワイド |
超ロングボディ |
4.0トン |
高床W・ドカロク |
3,634 |
3,684 |
3,669 |
3,749 |
3,674 |
3,709 |
3,714 |
注 |
・上記価格は、デラックス仕様の木製荷台・マニュアル車。 |
・☆印は、写真掲載機種。
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