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第1578号 1999年10月13日

マツダ、新型ロータリーエンジン搭載のコンセプトカー「RX−EVOLV」他を出品

- 東京モーターショーのテーマは「心を動かす新発想」 -

 マツダ(株)は10月23日(土)から11月3日(水)まで千葉市の「幕張メッセ」で開催される第33回東京モーターショー(*)で、「心を動かす新発想」をテーマに、新型ロータリーエンジンを搭載した「RX-EVOLV(RX-エボルブ)」などのコンセプトカーを出品するとともに最新技術の紹介を行う。

 「RX-エボルブ」は、「センスの良い」、「創意に富む」、「はつらつとした」で表わされるマツダブランドのイメージリーダーカーとして、全く新しい4シータースポーツカーの世界を提案するコンセプトカーである。新たに開発したコンパクトなロータリーエンジン「RENESIS」(レネシス**)の採用により、RX−7とほぼ同サイズで大人4人が快適にドライブを楽しめる居住空間を確保しつつ、スポーツカーとしての卓越した運動性能を同時に実現している。

 また、「ファンクショナルコンパクトカー」を目指して開発した「NEOSPACE(ネオスペース)」、「新世代のツーリングサルーン」である「NEXTOURER(ネクスツアラー)」などのコンセプトカーを出品する。

 この他、燃料電池電気自動車「デミオFCEV」、直噴ガソリンエンジン「マツダDIREC−G(ディレク・ジー)」、直噴ディーゼルエンジン「マツダDIREC−D(ディレク・ディー)」、新世代トランスミッション「マツダトロイダルCVT」、「セーフティアクティブシート」や、「スマートエアバッグ」など、環境・安全関連の技術展示物もあわせて展示する。

(*) 今回は、「商用車ショー」との分離開催後初めての「乗用車・二輪車ショー」である。なお、弊社は10月20日(水)10:00~10:25に、東ホール「マツダブース」でプレスブリーフィングを開催予定。
(**)RENESISの名称は新たなるREの始まり=Genesisを意味する。

RX-EVOLV
第33回東京モーターショー出品車 「RX-EVOLV」

 

<主な出品物の概要>

  1. コンセプトカー
    ■ RX-EVOLV(RX−エボルブ )
     マツダはスポーツカー作りにおいて一貫して「操る楽しさ」の創造にこだわりつづけている。「RX−エボルブ」は「操る楽しさ」を実現するための最適なボディサイズ、徹底した軽量化、FRレイアウト、前後重量配分50:50、ヨー慣性モーメントの低減という5つの要素を「マツダスピリテッドDNA」として受け継いでいる。これらの要素を全て満たすことを可能にしたのが、新開発のロータリーエンジン「レネシス」である。「レネシス」は自然吸気でありながら最高出力280PS/9,000rpm、最大トルク23.0kg−m/8,000rpmを発揮する。「レネシス」は新世紀の要件であるLEV(国内)排気基準を達成し、アイドルから高速域に至る全域燃費を大幅に改善している。また、「RX−エボルブ」は、ドライバーの技量に合わせたエンジン性能の制御など様々な機能を盛り込んでいる。

    「RENESIS(レネシス)」
    「RENESIS(レネシス)」

     

    エンジン

    タイプ

    水冷直列2ローター

    総排気量 cc

    654 x 2

    最高出力
    (エキスパート・ノンエキスパート)
    PS/rpm

    280/9,000 ・ 240/8,000
    (目標値)

    最大トルク
    (エキスパート・ノンエキスパート)
    kg-m/rpm

    23.0/8,000 ・ 21.0/7,000
    (目標値)

    トランスミッション

    6速オート・マニュアルシフト

    ■ NEOSPACE(ネオスペース)
     「ネオスペース」は、コンパクトなボディサイズの中に様々な用途に対応するために工夫された装備を採用することで、将来の多様化するユーザーのライフスタイルを満たす「ファンクショナル・コンパクトカー」として開発した。 扱いやすいコンパクトなボディサイズと大人4人が快適に過ごせるゆとりある室内空間を両立した。さらに、広い室内空間を十分に活用するために、乗り降りのしやすいBピラーレス構造の「フリースタイルドアシステム」、荷室に収納可能な後席の「ネオスペースカラクリシート」、荷物の積み降ろしに便利な「スロープゲート」など創意に富んだ新しい装備を採用している。

    「NEOSPACE(ネオスペース)」
    「NEOSPACE(ネオスペース)」

     

    ■ NEXTOURER(ネクスツアラー)
     「ネクスツアラー」は、高級セダンの快適な高速ツーリング性能とSUVの機能性を融合した、新しい時代に求められるツーリングカーのコンセプトを提案するモデルである。
    高い機能性を発揮する「フレキシブルパッケージボード」、シートに合せて最適な車高を実現する「アクティブハイトコントロール」を採用している。また、ゆとりある動力性能に加え、ITS (Intelligent Transport Systems)に代表される先進インターフェイス機能、「インテリジェントヘッドランプシステム」、ITS警告システムなど安全面をサポートする装備によりツーリングカーにふさわしい安全かつ余裕ある走りを実現している。

    「NEXTOURER(ネクスツアラー)」
    「NEXTOURER(ネクスツアラー)」

     

  2. 技術展示物
    ■ デミオFCEV
     今回出品している「デミオFCEV」は、最大出力50kWを発生する新開発の燃料電池スタックとコンパクトな新開発燃料電池駆動システムを採用することにより、従来の「デミオFCEV」と比べて50km/h高い140km/hの最高速度を実現した。
     マツダは1998年4月以来、フォード社、ダイムラークライスラー社、およびバラード・パワー・システムズ社の3社による燃料電池技術開発の新共同体に参加し、実用化を目指した研究開発を推進してきたが、今回展示の「デミオFCEV」は新共同体が開発した燃料電池システムを採用している。

    ■ マツダDIREC-G(ディレク・ジー)
     「ディレク・ジー」は排気量1,498ccの直噴ガソリンエンジンである。連続位相可変バルブタイミング機構「S−VT」を採用することにより出力・トルクの向上と燃費、および二酸化炭素(CO2)排出量の低減という相反する要件を高次元で両立させた。また、成層燃焼で多量に発生する窒素酸化物(NOx)の排出は連続位相可変バルブタイミング機構やEGRシステムの採用、新型NOx還元触媒の採用により大幅に低減している。

    ■マツダDIREC−D(ディレク・ディー)
     新開発の直噴ターボディーゼルエンジン「ディレク・ディー」は、コモンレール式高圧燃料噴射システムや四元触媒をはじめとする新技術を採用した排気量1,998ccの小型乗用車用エンジンである。従来型に対して出力を約40%向上しながら、NOxやCO2の排出量および燃費を大幅に低減し、欧州で実施される新しい排ガス規制EURO−4に適合させるとともに、黒煙の排出量や振動、騒音も大幅に低減した。

    ■マツダトロイダルCVT
     「マツダトロイダルCVT(無段変速機)」は、高効率かつ軽量コンパクトながら高出力エンジンにも対応可能な次世代のトランスミッションである。ハーフトロイダル型CVTをギアードニュートラル方式発進システムと組合せ、一層高効率かつコンパクトな、FF車に適したシステムとした。このシステムは優れた応答性を発揮しながら、高い静粛性と燃費の良さを実現している。燃費は排気量3リットル車に搭載した場合、従来の4速オートマチックと比べて10・15モードで約20%の向上が可能となる。

    ■セーフティアクティブシート
     「セーフティアクティブシート」はむち打ち傷害を低減する技術である。追突された際、ヘッドレストが前方向に移動し乗員の頭部を早期に受け止める。これにより追突された直後の頚部の異常な動きを押さえ、乗員の負担を大幅に軽減することが出来る。また、後方からの追突を予知して、追突される前に乗員の身体をシートバックに引き付けるシートベルトシステムを採用している。これにより、追突される前に頭部をヘッドレストに近づけ、頭部と胸部の相対変位を最小限に押さえるとともに、乗員の首筋肉に緊張を与え、むち打ち傷害を低減することが出来る。

    ■ スマートエアバッグ
     「スマートエアバッグ」には二段階構造のインフレーターを採用した。これにより、衝突時の衝撃の大きさに応じて、エアバッグが展開する出力を2段階に制御することが可能となっている。低い速度での衝突では、高い速度での衝突時と比べて、乗員にかかるエアバッグの拘束力を約30%低減させ、乗員にかかる衝撃を弱くすることが出来る。

    主な出品物一覧

    コンセプトカー

    RX-EVOLV(RX−エボルブ)
    NEOSPACE(ネオスペース)
    NEXTOURER(ネクスツアラー)

    市販車

    新カペラ ワゴン & セダン
    ファミリア S-ワゴン & セダン
    新型MPV
    プレマシー
    その他市販車

    技術展示物

    環境

    デミオFCEV
    直噴ガソリンエンジン「マツダDIREC-G(ディレク・ジー)」
    直噴ディーゼルエンジン「マツダDIREC-D(ディレク・ディー)」
    新世代トランスミッション「マツダ トロイダルCVT」
    アルデヒド除去機能付き自動車用エアフィルター
    リサイクルへの取り組み

    安全

    プレマシー セーフティ テクノロジー
    セーフティアクティブシート
    スマートエアバッグ

    ITS

    ITSへの取り組み

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