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第1550号 1998年12月15日

「RX-7」に280馬力のロータリーエンジンを搭載

−本格スポーツカー 「RX-7」をマイナーチェンジし、「操る楽しさ」を向上−

  マツダ(株)は本格スポーツカー「RX−7」をマイナーチェンジし、来年1月21日より全国のマツダアンフィニ系販売店を通じて発売する。

  「RX−7」はオリジナリティ溢れる魅力的な外観をもち、軽量・コンパクト・高出力なロータリーエンジンの特徴を活かして、「操る楽しさ」を高い次元で実現した本格スポーツカーとして好評を得てきた。

  今回のマイナーチェンジでの主な変更点は次の通り。

.....1. ターボチャージャーの高効率化などによる最高出力280馬力(ネット)の達成(「タイプRS」、「タイプR」)
軽い車体重量とあいまって、馬力当たり車体重量(パワーウェイトレシオ)を「タイプRS」でクラストップレベルの4.57kg/馬力とし、加速性能をさらに向上させた。
.....2. サスペンションやタイヤなどのチューニングによる乗り心地と操縦安定性の向上
スポーツ走行から街乗りまでの幅広いシーンで「操る楽しさ」を一層高めた。
.....3. 精悍さを増した外観の実現と空力性能の向上
フロントデザインを変更するとともに、機能的な大型リアスポイラーを採用した。

  安全装備では、運転席に加え新たに助手席SRS(*)エアバッグシステムを全機種標準装備とした。

  価格は、従来と同じ265馬力仕様の「タイプRB」5速マニュアルを2,898千円(全国統一価格)とし、これまでより引き下げお求めやすくしている。また、280馬力仕様の上級グレードでは性能、装備を向上させながら価格上昇を小さく抑えた。月間販売台数は500台を計画している。

  (*) SRS: Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置)の略

RX−7「タイプRS」

■今回のマイナーチェンジでの主な変更内容は以下の通り。

1.動力性能の向上
  ターボチャージャーの高効率化や、空気取り入れ口拡大などによる冷却性能向上によって、最高出力280PS/6,500rpm(ネット)を達成した(「タイプRS」、「タイプR」)。軽い車体重量とあいまって、パワーウェイトレシオは「タイプRS」で4.57kg/PSとし、加速性能をさらに向上させている。また、高速域の出力を高めてトップエンドの伸びを向上させるとともに、中速域のトルクを高めて実用域における加速も良くした。
アブレーダブルシール採用によるコンプレッサーの高効率化と、ウルトラハイフロータービンによる大流量化によって、ターボチャージャーの過給圧を従来の約1.2倍に高めた。
メインサイレンサーの内部構造変更などにより、排気システムの排圧を下げ低抵抗化した。
ラジエターやインタークーラーなどの空気取入れ口開口面積を拡大するとともに、エアクリーナーダクトなどを独立化することで、走行風を効率良く冷却に用いることを可能とした。
2.シャシー性能の向上
  向上した動力性能を運動性能としてフルに発揮させるために、サスペンションやタイヤなどにチューニングを施している。これによって、スポーツ走行から街乗りまでの幅広い領域において、優れた操縦安定性と、質感の高いしっかりした乗り心地を実現し「操る楽しさ」を一層高めた。

(1)サスペンション
「タイプRB」にスタンダード仕様、「タイプR」にハード仕様のダンパーを採用した。また、「タイプRS」にはドイツのビルシュタイン社と共同開発したダンパーを採用している。
(2)ステアリング
ステアリングホイールは、エアバッグを内蔵しながら外径370mmと小径のイタリアのナルディ社製を採用した。また、エアバッグのインフレーターをステアリングの中心に配置することで、慣性モーメントを低減し自然な操舵感としている。
(3)ブレーキ/タイヤ
フロントブレーキは、冷却用空気取入れ口開口面積の拡大などにより冷却効率を向上させた。
「タイプRS」と「タイプR」には、ウエット性能とドライ性能を両立させた新コンパウンドタイヤを採用した。 また、「タイプRB」のオートマチック車はタイヤのトレッドパターンを変更し、接地性と静粛性を高めた。

3.デザイン
  新デザインのフロントバンパーや、機能的な大型リアスポイラーの採用により、空力性能を向上させるとともに精悍さを増した外観とした。

(1)エクステリア
開口面積を拡大しながら、空気取り入れ口の形状をマツダのデザインテーマに基づき5角形とした、新デザインのフロントバンパーを採用している。
新デザインの大型フロントコンビネーションランプと、光量を増したフォグランプを採用した。
走行シーンにあわせてスポイラー効果を調整できる、ウィッカー付可変式大型リアスポイラーを「タイプRS」と「タイプR」に採用している。
ボディカラーにはイノセントブルーマイカ(鮮やかな青色)とハイライトシルバーメタリック(明るい銀色)を新たに設定した。
(2)インテリア
5速マニュアル車には、針が6時の位置からスタートするタコメーターを採用している。
ターボチャージャーの過給圧の変化を視認できるように、ブーストメーターをメーターパネルに設置した。
「タイプRB」、「タイプR」のシート地には、スポーティで質感の高いファブリックを採用した。
4.安全装備の充実
従来からの運転席に加え、新たに助手席SRSエアバッグシステムを全機種に標準装備した。

■新機種体系は以下の通り。

  機種体系は、「タイプRS」、「タイプR」、「タイプRB」の3機種で構成している。変速機は5速マニュアル(5MT)をすべての機種に設定し、電子制御式4速オートマチック(4AT)を「タイプRB」に設定した。エンジンは280PS仕様を「タイプRS」と「タイプR」に、265PS仕様を「タイプRB」の5MT車に、255PS仕様を「タイプRB」の4AT車にそれぞれ搭載している。
  なお、「タイプRB」の5MT車には、ウィッカー付可変式大型リアスポイラーやフロントフォグランプなど、「タイプR」と同等の装備をセットオプションとした「Sパッケージ」を設定している。

【主要諸元/装備】

グレード タイプRS タイプR タイプRB
Sパッケージ  
変速機 5MT 4AT
エンジン 形式・種類 13B-REW型・水冷直列2ローター
最高出力(ネット) PS/rpm 280/6,500 265/6,500 255/6,500
最大トルク(ネット) kg-m/rpm 32.0/5,000 30.0/5,000 30.0/5,000
ダンパー タイプ ビルシュタイン社製 ハード スタンダード
タイヤ 前・後235/45ZR17・ 255/40ZR17        
225/50ZR16      
225/50R16 92V      
セーフティ 運転席&助手席
SRSエアバッグシステム
4W-ABS
その他 ウィッカー付可変式大型リアスポイラー    
エンジンオイルクーラー ツイン シングル

■車両本体の希望小売り価格は以下の通り。(消費税は含まず。)

....
(単位:千円)
グレード 最高出力(ネット) 変速機 全国統一価格
タイプRS   280PS 5MT 3,778
タイプR     3,470
タイプRB   265PS 2,898
255PS 4AT 2,998
Sパッケージ 265PS 5MT 3,128

 
 
 
 
 

*寒冷地仕様車は上記価格よりそれぞれ12千円高

*☆印は写真掲載機種


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