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第1540号 1998年7月2日

カペラシリーズに、2.0リットルクラス初の
直噴ディーゼルエンジンを搭載

−クラストップレベルの低燃費と高出力を実現−

 マツダ(株)は、小型4ドアセダン「カペラ」および小型ステーションワゴン「カペラワゴン」に、2.0リットルクラス初の直噴ターボディーゼルエンジン「DI-TD(※)」を搭載し、本日より全国のマツダ系およびマツダアンフィニ系販売店を通じて発売する。

 1997年8月に発売した「カペラ」と同年11月に発売した「カペラワゴン」は、多彩なシートアレンジ機能を備えた広々とした室内空間や、高い安全性、卓越した走行性能などにより好評を博している。

 今回新たに搭載する「DI-TD」は、小型乗用車用のコンパクトな直噴ターボディーゼルエンジンである。燃料を燃焼室に直接噴射して着火させることにより、間接噴射式に比べて熱エネルギーの損失を大幅に低減できるため燃焼効率が向上している。さらに、吸入空気の流量と燃焼室内でのスワール(渦)の発生を高める「ダブルタンジェンシャル吸気ポート」や、燃料の微粒化・燃焼の均一化を促進する「高圧・高精度 燃料噴射ポンプ」などを採用し、より少ない燃料で効率よく燃焼させることが可能となった。これらにより、燃費およびCO2排出量の低減と、出力・トルクの向上を実現し、先代カペラワゴンに搭載していた過給機付きRF型ディーゼルエンジンに比べて、最高出力を約14%、最大トルクを約18%、燃費を約16%(60km/h定地燃費)向上させている。

 「DI-TD」を搭載した「カペラ」および「カペラワゴン」は、クラストップレベルの低燃費と高出力を発揮し、市街地走行から高速走行まで経済的で、ストレスを感じさせない走りを実現している。

(※)DI-TDirect njection urbo iesel

PHOT  CAPELA-Ti
カペラTi
(「DI-TD」搭載車)
PHOT CAPELA-SE
カペラSE
(「DI-TD」搭載車)

■ 主な商品概要は以下の通り。

1.直噴ターボディーゼルエンジン「DI-TD」
 「DI-TD」は、小型乗用車用のコンパクトな2.0リットル直接噴射式ターボディーゼルエンジンである。燃料を燃焼室へ直接噴射して着火することにより、燃焼効率が向上した。さらに、下記4点の技術を採用することによって、より少ない燃料で効率よく燃焼させることが可能となり、クラストップレベルの低燃費と高出力を実現するとともに、黒煙の排出量を低減した。

(1)4バルブ&ダブルタンジェンシャル吸気ポート
 1気筒あたり4バルブ(吸気2バルブ、排気2バルブ)の採用により、吸排気抵抗を大幅に小さくすることが可能となり、吸気量を増大させるとともに排出ガスの流出抵抗を抑えている。また、従来のRF型エンジンでは吸気ポートを寝かせ気味にしていたのに対し、「ダブルタンジェンシャル吸気ポート」の採用により、吸気ポートを立たせ気味にして吸入空気の流量と、燃焼室内でのスワール(渦)の発生を高めて空気と燃料との混合を促進している。その結果、燃焼効率を高め、燃費およびCO2排出量の低減と、出力・トルクの向上を実現している。

(2)二層流動型燃焼室
 ピストン上部の燃焼室の形状は、混合気に2種類の強い渦流を発生させる形状とした。これにより、燃料の微粒化・拡散を改善し、高負荷域などの空気過剰率が低い領域で黒煙の排出量を低減している。また、燃焼効率が改善されるため、燃費およびCO2排出量を低減している。

(3)センターインジェクション
 燃料噴射ノズルをシリンダーの中心にレイアウトすることにより、シリンダー内に燃料を均一に噴射することが可能となった。この結果、着火性が向上するほか、燃焼初期の急激な燃焼が抑制されるため、出力とトルクが向上するとともに黒煙の排出量が低減した。

(4)高圧・高精度 燃料噴射ポンプ
 燃料噴射を350気圧から1,000気圧に高圧化することで燃料の微粒化を図り、燃焼の均一化を実現した。さらに、電子制御式とすることにより、アクセル開度やエンジン回転数などから、燃料噴射量と燃料噴射タイミングを最適にコントロールすることが可能となった。この結果、黒煙の排出量を抑えながら、低速域から高速域までの出力とトルクの向上を実現している。

<「DI-TD」主要諸元>

型式RF型
種類水冷直列4気筒16バルブ直噴ターボディーゼル
総排気量 cc1,998
内径×行程 mm86.0×86.0
圧縮比18.7
最高出力 ps/rpm100/4,000
最大トルク kg-m/rpm22.4/2,000
燃料供給装置分配式燃料噴射ポンプ(電子制御式)

2.世界最高水準の安全性
 「カペラ」および「カペラワゴン」では、アクティブセーフティと、パッシブセーフティの両面で卓越した安全性が好評を得ており、今回新たに設定した直噴ターボディーゼルエンジン仕様車にも同様の仕様・装備を採用した。

(1)アクティブセーフティ
 着座位置を高めに設定した「アップライトパッケージ」の採用により、良好な視界と長時間ドライブでも疲れにくい運転環境を実現している。また、高い操縦安定性を発揮するサスペンションや、信頼性の高いブレーキシステムなどによって、ドライバーの意思に忠実に応える高い走行安全性を実現した。さらに、4W-ABS(4輪アンチロックブレーキシステム)や、ハイマウントマウントストップを全車に標準装備した。

(2)パッシブセーフティ
 高剛性・安全ボディ「MAGMA(※)」を採用したほか、運転席&助手席SRSエアバッグシステムや、ロードリミッター&ダイレクトクランプ付きシートベルトを全車に標準装備した。また、頭部保護機能付きSRSサイドエアバッグシステムを全車にオプションで用意している。

(※1)「MAGMA」:Mazda Geometric Motion Absorption (マツダの全方向衝撃吸収構造ボディ)
(※2)SRS:Supplemental Restraint System (乗員保護補助装置)

3.その他の主な装備

マニュアルエアコンを全車に標準装備した。
FM/AM電子チューナー付きCDデッキをワゴンに、FM/AM電子チューナーをセダンに標準装備した。
VICS対応ナビゲーションシステムとAVシステム(FM/AM電子チューナー、カセットデッキ、CDデッキ)とを一体化し、さらにTVチューナーを加えた「オールインワンAVナビシステムをオプションで用意した。(ワゴン)
フロントとフロントサイドのウインドーにはUVカットガラスを、リアサイドとリアクオーター、リアのウインドーにはダークティンテッドガラスを装備した。(ワゴン)
キーレスエントリーシステムを標準装備した。(ワゴン)

■車両本体の希望小売り価格は以下の通り。(消費税を含まず)

(単位:千円)
ボディタイプ 駆動 グレード 変速機 東京・広島・大阪
名古屋・山口
札幌 仙台 福岡
セダン FF Ti 4EC-AT 1,798 1,875 1,845 1,818
ステーションワゴン SE 2,185 2,252 2,222 2,205
寒冷地仕様について:札幌、仙台は寒冷地仕様車。その他の地域は上記の価格より、セダンが26千円高、ステーションワゴンが16千円高。
頭部保護機能付SRSサイドエアバッグのメーカーオプション価格は30千円。
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