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第1526号 1998年3月19日

マツダ(株)、欧州事業を統合・強化

マツダ(株)は、このたびベルギーにある欧州子会社、マツダ・モーター・ヨーロッパ (MME)*1及びマツダ・モーター・パーツ・センター (MPE) *2の組織を統合し、欧州事業の強化を行う。

これは、同社の事業目標である2000年までに欧州市場において2%のシェアを確保し、同地域での顧客満足度第1位を目指すための基盤作りとして行うもの。ブランドイメージの強化、利益率の向上、部品・用品ビジネスの強化も視野に入れている。

このため、ドイツ・レーバークーゼンにMME 100%出資の子会社 MME(LEV)(仮称)を設立し、欧州市場全体を統括する経営企画、販売、広報、マーケティング戦略、及び顧客サービス機能を集約する。新会社の設立は1998年6月を予定している。

これに向けMMEでは、新たな組織を担当する数名の現地人マネジメントを採用し、欧州全体での長期経営目標の達成に向けた戦略企画立案・分析などを通じて、販売力の強化を推進していく。

新会社は、ドイツ国内のマツダの販売子会社であるマツダ・モータース(ドイツ) (MMD) *3 と社屋を共有するとともに、人事部門やトレーニングなど一部の機能についても共有する。但し、両社は今後も別会社として存続する。

ドイツにマツダの欧州本拠地を移す理由は、ドイツが欧州最大の自動車市場であり、かつ有力メーカーが存在し、さらに欧州におけるマツダ車の最大の販売国であることによる。

さらに、ベルギーのMMEとMPE を6月に統合し、ブラッセルの部品供給センターにおける部品物流機能と、アントワープ港における車両物流機能を集約・強化する。

これらの組織再構築は、マツダの欧州市場における主要機能の強化を目的とすると同時に、3社(MME、MPE及びMMDの一部)の機能を統合し集約化させることにより、同市場での事業効率全体の向上に結びつけるものである。その結果として若干名の人員削減を伴うことになる。マツダ(株)の欧州におけるR&D拠点、MRE *4はこの統合の対象としないが、新組織とMRE との協力関係をさらに強めていく。

マツダの1997年の欧州市場における販売実績は、前年をおよそ10%上回る約21万台となった。これには、最大の市場であるドイツの72,318台(8.0%増)をはじめ、英国では販売記録を更新する32,236台(25.2%)を達成。アイルランドでは5,266台(34.7%増)、イタリア(4,920台、41.5%増)、チェコ(5,211台、9.7%増)、スペイン(3,077台65.3%増)など数多くの市場が貢献した。

以 上


<注 釈>

  1. マツダ・モーター・ヨーロッパ (MME) = Mazda Motor of Europe S.A./N.V.
    本社はベルギー・ウィルブローク市。欧州におけるマツダ車の卸売販売、物流センターやトレーニングセンターの運営管理などを事業とする。1988年10月設立、マツダ(株)100%出資。

  2. マツダ・モーター・パーツ・センター (MPE) = Mazda Motor Parts Center S.A./N.V.
    本社はベルギー・ウィルブローク市。欧州におけるマツダ車の補修部品・用品の卸売販売などを事業とする。1968年8月設立、マツダ(株)100%出資。

  3. マツダ・モータース(ドイツ)(MMD) = Mazda Motor (Deutschland) G.m.b.H
    本社はドイツ・レーバークーゼン市。ドイツ国内における自動車・部品の卸売販売、サービスの提供などを事業内容とする。1972年11月設立、マツダ(株)76%出資。

  4. 欧州 R&D 事務所 (MRE) = Mazda Motor Co. Europe R&D Representative Office
    ドイツ・オーバーヴァゼル市にマツダ(株)の研究開発拠点として設立。欧州市場における技術動向などの調査・研究、デザインの開発、商品適合性の評価などを行う。
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