第1513号 | 1997年11月17日 |
新型カペラワゴンを発売
「人間優先」思想の快適な室内空間を実現した、新世代ステーションワゴン
マツダ(株)は、小型ステーションワゴンの「カペラワゴン」をフルモデルチェンジし、本日より全国のマツダ系およびマツダアンフィニ系販売店を通じて発売する。
新型カペラワゴンは、「自由空間カペラ」というセダンと共通のコンセプトのもとに開発した。
「アップライトパッケージ」による広い室内空間などが好評の「カペラ」をベースに、「人間優先」思想の快適な室内空間を実現した、新世代のステーションワゴンである。
従来のステーションワゴンは、ベースとなるセダンに対して拡大した空間をラゲッジスペースに活用していた。新型カペラワゴンでは、ホイールベースを延ばすとともに全高を高めた室内空間を、居住空間の拡大にも活用している。さらに、広い室内空間を快適で、しかも機能的に使うため、リアシートのスライド機能をはじめとする多彩なシートアレンジ機能を備えた。
このほか、世界最高水準の安全性を実現する安全装備や、快適性・利便性を高める装備・機能を盛り込みながら価格を抑え、バリューフォーマネーに優れた商品とした。
新型カペラワゴンは、以下の3点を主な特長としている。
- 乗る人すべてに自由で快適な乗車環境や、多彩な空間アレンジを実現する「スーパーアレンジブルキャビン」
- 高剛性・安全ボディ「MAGMA」(※注)や、頭部保護機能付きSRSサイドエアバッグシステムの採用などによる、世界最高水準の安全性
- 出力の向上だけでなく、低燃費およびCO2、NOx排出量の低減を実現した「Dバーン」エンジンや、上質な走りを実現するV6エンジンの搭載などによる優れた高速・長距離ツーリング性能
(※注)「MAGMA」:Mazda Geometric Motion Absorption (マツダの全方向衝撃吸収構造ボディ)

カペラワゴン S-RX 2000 DOHC 4WD
新型カペラワゴンの商品概要は以下の通り
新型カペラワゴンの外観は、室内空間を大きくとるために全高を高めながらも、伸びやかでスポーティなプロポーションを実現している。またフロントビューについても、ヘッドランプ、グリル、バンパーをワゴン専用のスポーティなデザインとし、セダンとの区別化を図った。
【スーパーアレンジブルキャビン】
乗る人すべてが自由な姿勢でくつろげる「人間優先」思想の快適空間を実現するとともに、使用目的に応じて最適な室内空間を生み出す多彩なシートアレンジ機能を盛り込んでいる。
■ホイールベースを延ばし、全高を高めたワゴン専用ボディ
これまでのステーションワゴンは、セダンをベースにリアオーバーハングを延長しているため、居住空間の広さはセダンと変わらず、ラゲッジスペースだけが拡大されている。これに対して、新型カペラワゴンでは、セダンよりもホイールベースを60mm延ばして後席をさらに後方へ配置した。そのうえで、全高を70mm高めて余裕のヘッドクリアランスを確保し、居住空間を大幅に拡大した。しかも、全高は4WD車が1,525mm(FF車は1,510mm)で、高さ制限1,550mmの一般的な立体駐車場の利用が可能なサイズにおさめている。■乗る人すべてに自由で快適な乗車環境を提供する「スーパーコンフォートキャビン」
- 全高および着座位置を高く設定した「アップライトパッケージ」の採用により、楽に乗り降りができるとともに、良好な視界を確保している。また、背筋を伸ばして座る着座姿勢がとれるため、長時間のドライブでも疲れにくく快適な乗車環境を実現した。
- 後席の乗員にも自由で快適な乗車姿勢がとれるように、リアシートにリクライニング機能を備えた。左右独立でリクライニングするため、各々の好みの着座姿勢がとれる。さらに、フロントシートのヘッドレストを取り外し、前席、後席ともにフルリクライニングすれば、前席から後席にかけて大人2人が横になれるスペースが出現する。
- 運転席の左側と後席のドア側両サイドには、収納式のアームレストを装備した。
- リアシートに、シートスライド(160mm)、5:5分割可倒、ダブルフォールディング、シートクッション脱着の各機能を備えており、荷物の量や乗車人数に応じた多彩な室内空間を実現した。
- ラゲッジスペースの容量は、リアシートを最後端にスライドさせた状態でも484Lを確保、そして最前端までスライドさせれば537L(いずれもVDA)の容量を確保できる。
- 助手席には、シートバックを前方にフルフラットに折りたためる「スペースアップシート」を採用した。リアシートのダブルフォールディング機能と組み合わせれば、約2.8mの長尺物も収納できる。また、シートバックの裏面には樹脂製のパネルを装備し、テーブルとしても使用できる。
- ラゲッジスペースには、左右側面のサイドボックスや床下のサブトランク、計8ヶ所のロープフックなど、荷物の収納や固定に便利な様々な装備を用意した。
- リアゲートには、狭い場所での開閉や小物の積み降ろしに便利なガラスハッチを採用した。
(V-RX、S-RX、SXに標準、SEにオプション)
【世界最高水準の安全性】
事故を未然に防ぐアクティブセーフティと、万一の事故の際にも乗員が受ける衝撃を最小限に抑えるパッシブセーフティの両面で、卓越した安全性を実現した。
■アクティブセーフティ
- 「アップライトパッケージ」により、良好な視界と長時間ドライブでも疲れにくい運転環境を実現している。
- 高い操縦安定性を発揮するサスペンションや、信頼性の高いブレーキシステムなどによって、ドライバーの意志に忠実に応える高い走行安全性を実現した。
- 4W-ABS(4輪アンチロックブレーキシステム)を全車に標準装備したほか、FF全車にエンジントルク制御式TCS(トラクションコントロールシステム)を、4WD車にトルク配分型フルタイム4WDシステムを装備した。これらにより、悪条件下においても走行安定性、制動安定性が増し、優れた危険回避性能を発揮する。
- フロントピラーのレインガーターモールと、雨水コントロールドアミラーの採用により、サイドウインドーおよびドアミラー鏡面への水滴の付着を抑制し、雨天時の視認性を高めている。
- 全車に、ルーフスポイラー内蔵LED式ハイマウントストップランプを装備し、後続車からの視認性を高めた。
- 高剛性・安全ボディ「MAGMA」
高剛性・安全ボディ「MAGMA」は、衝突エネルギーを効率よく吸収するボディ前後のクラッシャブルゾーンと、強固なキャビンで構成される。キャビン部は、カペラセダンと同様の「トリプルH」構造を採用したうえで、開口部の大きいリアボディ周りを綿密かつ徹底的に強化している。このボディの採用により、国内の新側面衝突安全基準にいち早く適合させ認可を取得するとともに、'98年に実施予定の欧州の新衝突安全基準(オフセット前面衝突、側面衝突)へも対応している。 - 運転席&助手席SRSエアバッグシステム
運転席&助手席SRSエアバッグシステムを全車に標準装備した。 - 頭部保護機能付きSRSサイドエアバッグシステム
カペラセダンに世界で初めて採用した頭部保護機能付きSRSサイドエアバッグシステムを、新型カペラワゴンの運転席と助手席にも装備した(V-RX、S-RX、SXに標準、その他の機種にオプション)。このサイドエアバッグは、側面衝突時に頭部がサイドウインドーやセンターピラーなどに当たって大きなダメージを受けないように、エアバッグ展開時に上体胸部から頭部までを保護する形状となっている。また、サイドエアバッグのモジュールはシート背もたれのドア側の面に内蔵しているため、シートポジションを問わず、乗員に対して最適な位置で展開する。 - ロードリミッター&ダイレクトクランプ付きシートベルト
運転席と助手席に、ロードリミッター&ダイレクトクランプ付きシートベルトを採用した。万一の事故の際には、ダイレクトクランプが瞬時にベルトの伸びを抑え、素早く乗員を拘束する。さらに、シートベルトに一定荷重がかかると、ロードリミッターが胸部にかかる衝撃を緩和し、拘束後の過剰荷重を抑制する。
【優れた高速・長距離ツーリング性能】
カペラセダンで好評の「Dバーン」エンジンに加えて、上質な走りを実現するV6エンジンを搭載している。さらに、高剛性ボディや優れた操縦安定性を発揮するシャシーの採用により、高速・長距離ツーリングでも余裕のある、快適で安定した走りを実現している。
■「Dバーン」エンジン
新型カペラワゴンには、1.8Lおよび2.0L直列4気筒16バルブDOHCの「Dバーン(ダイリューテッドバーン:希釈燃焼方式)」エンジンを採用した。Dバーンエンジンは、出力の向上を図るとともに、排出ガスを大量に燃焼室へ再循環させるシステムを採用している。この結果、加速から定常走行まで幅広い範囲で燃費およびCO2排出量の低減だけでなく、NOx排出量の低減も実現している。
■上質な走りを実現する、V6エンジン
4WD車の最上級機種には、V型6気筒DOHCエンジンを搭載した。全域にわたって適切な過給を行う可変共鳴過給システムVRIS(Variable Resonance Induction System)を採用するとともに、吸排気系の抵抗を低減することによって中低速トルクを高めている。
<エンジンタイプ>
エンジン | 最高出力(ネット) | 最大トルク(ネット) | 燃 料 |
---|---|---|---|
2500 V6 DOHC(KL-ZE型) | 200ps/6,500rpm | 22.8k-gm/4,800rpm | 無鉛プレミアムガソリン |
2000DOHC(FS-ZE型) | 170ps/6,800rpm | 18.4k-gm/5,000rpm | 無鉛プレミアムガソリン |
2000DOHC(FS-DE型) | 140ps/6,300rpm | 18.2kg-m/4,800rpm | 無鉛レギュラーガソリン |
1800DOHC(FP-DE型) | 125ps/6,000rpm | 16.3kg-m/4,500rpm | 無鉛レギュラーガソリン |
■ボディ&シャシー
- ボディは、全体の剛性を高めたうえでサスペンション取り付け部の局部剛性を高めている。これにより、サスペンションの性能を十分に引き出すとともに、振動や騒音の抑制、乗り心地の向上を実現している。
- サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット、リアには定評のある「SSサスペンション」を採用している。
- 4WD車の上級機種のリアサスペンションには、後席の乗員やラゲッジスペースに積んだ荷物によるダンパーの沈み込みを検知して車高を調整する、セルフレベリングサスペンションを採用した(V-RXに標準、S-RXにオプション)。
【その他の主な装備】
- 本革巻きのステアリングホイールおよびシフトノブを装備した。(V-RX、S-RX、SX)
- センターコンソール部に、木目調パネルを採用した。(V-RX)
- エアコンを全車に標準装備した。(フルオートエアコン:V-RX、S-RX、SX / マニュアルエアコン:SE、SV)
- VICS対応ナビゲーションシステムとAVシステム(FM/AM電子チューナー、カセットデッキ、CDデッキ)とを一体化し、さらにTVチューナーを加えた「オールインワンAVナビシステムをオプション設定した。(SVを除く)
- フロントとフロントサイドのウインドーにはUVカットガラスを、リアサイドとリアクオーター、リアのウインドーにはダークティンテッドガラスを装備した。(SVを除く全車に標準)
- チルトアップ機構付きサンルーフをオプション設定した。(SVを除く)
- フロントバンパーのコーナー部に、バンパープロテクションモールを装着した。単体で交換できるため、補修を容易にする。
車両本体の希望小売り価格は以下の通り(消費税を含まず)
(単位:千円) 駆動 エンジン グレード 変速機 東京・広島・大阪
名古屋・山口札幌 仙台 福岡 FF 1800DOHC SV 5MT 1,710 1,776 1,746 1,730 4EC-AT 1,798 1,864 1,834 1,818 2000DOHC SE 2,053 2,109 2,079 2,073 SX 2,165 2,221 2,191 2,185 4WD 2000DOHC SE 2,278 2,329 2,299 2,298 2000DOHC
(ハイパワー)S-RX 2,424 2,475 2,445 2,444 ☆ V6・2500DOHC V-RX 2,664 2,715 2,685 2,684
※頭部保護機能付SRSサイドエアバッグのメーカーオプション価格は、30千円。(但し、V-RX、S-RX、SXには標準装備)
※☆印は、写真掲載機種。お問い合わせは、お近くのマツダ系およびマツダアンフィニ系販売店、または
「マツダお客様相談センター(フリーダイヤル:0120-386-919)」へお寄せください。