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第1506号 1997年9月1日

フランクフルトモーターショーに新型「マツダ626ステーションワゴン」を出品

-2台のコンセプトカー「マツダSW-X」、「マツダMS-X」も同時出品-

 マツダ㈱は、ドイツで開催されるフランクフルトモーターショーに、新型「マツダ626ステーションワゴン」を出品する。これにより、5ドアハッチバック、4ドアセダン、ステーションワゴンの3つのボディタイプからなる、欧州における新型マツダ626シリーズのラインナップが揃う。626ステーションワゴンは1998年初めに欧州市場へ導入予定である。

 同モーターショーには、最新のコンセプトカー、「マツダSW-X」と「マツダMS-X」も併せて出品する。これらは、これからの新技術の活用の方向性を示すものである。また技術展示として、二酸化炭素(CO2)排出量低減や省資源などの地球的規模の課題を解決するための有効な技術である「小型直噴ディーゼルエンジン」と「直噴ガソリンエンジン」を出品する。

 フランクフルトモーターショーは、隔年開催で、毎回約100万人の来場がある世界でも有数のモーターショーである。今回は、一般公開日が9月11日~21日となっている。

1.新型マツダ626ステーションワゴン
 新型「マツダ626ステーションワゴン」は、ボディサイズ、スタイリング、動力性能、価値、品質において、従来の「ミッドサイズワゴン」を超える車として開発した。マツダ626 5ドアハッチバックと4ドアセダンで好評を得ている、先進的なボディ構造、パワートレイン、シャシーを共有する一方で、卓越したスペース効率と多用途性を備えている。

 5ドアハッチバックと4ドアセダンからホイールベースと全長を、それぞれ60 mmと85 mm延ばし、クラス最大レベルの室内及び荷室を実現している。さらに、後席には前後スライド機構や、シートバックの分割リクライニングも設定し、用途に応じてスペースをフレキシブルに活用することができる。

 また、新開発の全方向衝撃吸収構造ボディ、新開発の作動解除機構付き助手席SRSエアバッグシステム、そして世界初採用の頭部保護機能付きSRSサイドエアバッグ等を採用しており、世界トップクラスの安全性を実現している。

 エンジンは、1.8リットル及び2種類の2.0リットルの合計3種類のガソリンエンジンを搭載する。さらに、新開発の直噴ディーゼルターボエンジンを1998年夏に追加設定する予定である。これらのエンジンは、燃費が優れており、地球温暖化の原因と言われるCO2の排出量の低減にも大きく貢献している。

2.マツダSW-X
 「マツダSW-X」は、「コンパクトスペースワゴン」を開発コンセプトに、小型車のボディサイズに背の高いミニバンスタイルを採用した5人乗りワゴンである。

 SW-Xの室内は、低くしかも運転席の足元から荷室までフラットなフロアにより、空間効率を最大限まで高めている。シートアレンジも工夫しており、シートはフロア部の前から後ろまで設置したスライドレール上で自由に固定でき、運転席を除く全てのシートは脱着可能である。さらに、1列目のシートは後ろ向きに回転可能で、2列目は横方向にもスライドが可能である。メーター類はダッシュボード中央に配置してある。

Mazda SW-X
マツダSW-X

3.マツダMS-X
 「マツダMS-X」は、「マルチパーパスセダン」を開発コンセプトとした、フレキシブルな室内空間を持つ4ドアセダンである。

 MS-Xは、セダンの優位性を保ちながら、非常に使いやすい室内空間と多用途性を備えている。多彩なシートアレンジにより、必要に応じて、後席レッグルームを大きく広げたり、大きな荷物のためのスペースを確保することができる。格納式のディスプレイ部と操作部を採用しており、機械的な雰囲気を廃した落ち着きのあるインテリア空間を実現している。

 MS-Xには、先進的な衝突回避システムやナビゲーションシステムを含む各種の次世代安全技術を採用している。さらに、「スマートカード」システムの採用により、キー無しでの車両の乗り降りや、運転者に合わせたシートポジションや操作部の自動調整が可能となっている。

Mazda MS-X
マツダMS-X

4.小型直噴ディーゼルエンジン
 この新型ディーゼルエンジンは、クリーンで効率の良い燃焼を実現するために、燃料の中心直接噴射技術、1気筒あたり4バルブのメカニズム、そして電子制御燃料噴射システムを採用している。これにより、エンジンサイズの小型化、燃焼時の騒音の低減、排出ガスの低レベル化が達成でき、理想的な乗用車用ディーゼルエンジンとした。

5.直噴ガソリンエンジン
 直噴ガソリンエンジンは、従来のEGI(電子制御ガソリン噴射装置)と異なり、吸気管からは空気だけを取り入れ、燃料は直接シリンダー内に噴射する方式である。独自のリーンバーン技術を進化・応用することにより、幅広い運転領域において、点火プラグ周辺にのみ燃えやすい混合気の層を作る成層燃焼が可能となり、全ての速度域で燃費を大幅に向上させている。また、エンジン制御ロジックの改善によって、スロットルバルブの開閉に応じて素早く燃料を供給でき、加減速時の応答性を大きく高めている。

以 上
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